総務省は2023年11月に「1円スマホ」の更なる規制強化を含めた、モバイル市場の競争を促進するプランを発表しました。「1円スマホ」の規制はいつから強化されるのでしょうか。本記事では新しい「1円スマホ」規制の概要や導入時期、2023年現在購入可能なおすすめ1円スマホとそのキャンペーンについて、詳しく解説します。
【2023年11月発表】総務省による1円スマホの規制の詳細:いつから規制されるの?
総務省は2023年11月7日、スマホの過度な値引き販売を規制するため、端末の値引きを含めてセット割引の上限を4万円までとする制度改正を含む「日々の生活をより豊かにするためのモバイル市場競争促進プラン」(以下「競争促進プラン」とします)を公表しました。
総務省により2023年内に規制強化の見込み
「1円スマホ」の規制が強化されることが分かったところで、気になるのは規制が導入される時期。競争促進プランでは、具体的な時期は示されていないものの、省令による制度改革を年内に実施するとしています。
【おさらい】これまでの「1円スマホ」のからくり
実は今現在もスマホの割引には規制があります。「1円スマホ」とは、実質1円や一括1円で購入できるスマートフォンのことで、携帯キャリアや販売代理店などが不定期に開催しているキャンペーンで手に入れられます。しかし以前は「1円スマホ」を購入する条件として、キャリアと2年間の通信契約を結ぶ必要がありました。つまり、スマホを格安で販売する代わりに、2年縛りの契約条件がつけられていたのです。
そうした販売方法により端末値下げ分の負担が通信料金に転嫁されるため、通信料金の価格が高止まりしているとして、2019年に電気通信事業法の改正に伴う総務省の規制により、キャリアの契約と端末をセットで販売する場合の値引き上限は22,000円(税込み)までとされ、2023年11月現在もこの規制は継続しています。
「一括1円」と「実質1円」の違いに要注意!
前述の通り、2019年の総務省の規制によって「回線契約が条件の割引」が上限22,000円までとなりましたが、その後も「1円スマホ」の販売は続きます。「1円スマホ」はスマホ端末の「一括1円払い」と「実質1円」の2通りの販売手法が主流となりました。
「一括1円」の場合、1円スマホを販売するたびにショップ側が数万円単位の割引を行うため、ショップ側の負担は大きくなります。そのため、元値が数万円程度の安いスマホが「1円スマホ(一括1円)」として販売されることが多いです。
ただし、「実質1円」の場合は、「端末返却をしなければ1円にはならない」点に注意が必要です。2021年3月に発表された「内閣府経済社会総合研究所 景気統計部 」の調査によると、スマートフォンの平均使用年数は3~4年。スマホが故障してから買い替える人も多く、定期的にハイエンドモデルに買い替えたい人を除いては、2年での返却は短く感じるかもしれません。
実質1円スマホの場合は、「返却しないといけない」=「自分のものにならない」という点や、まだ手放したくないタイミングで返却をせざるを得ない可能性がある点に注意しましょう。
?1円スマホは「不当廉売」?
1円スマホは「不当廉売の恐れがある」として、公正取引委員会の調査の対象になっています。前述した通り、2019年に「回線契約と紐づく割引の規制」によって割引に上限が定められたものの、スマホ端末単体での割引には規制がありませんでした。その結果、「端末単体をショップ独自で極端に割り引く」ケースの多発を招きました。
特にMNP(他社に移行後も電話番号を引き継ぐ制度)を利用して他社から乗り換える顧客に対して、極端な割引を行うケースが見られます。その背景には、極端な割引を行っても「通信料金によって後から利益を得られる」という通信キャリアならではのビジネスモデルが影響しています。このような事態を受けて、総務省は2023年11月、端末割引も含めた割引の上限規制を課すことを発表したのです。
「1円スマホ」を今後購入することは難しくなるの?
実際には、リース契約や下取り契約を利用して、実質上1円で新しいスマホを利用できる抜け道が用意される可能性はありえます。
しかし、現在のように通信会社を乗り換えただけで端末価格が1円になるような端末割引・セット割引は規制が入ります。繰り返しになりますが、値引きの最大上限額は原則4万円、端末価格が4万円から8万円までの場合は端末価格の50%、4万円以下の場合は2万円が値引きの上限額になります。ですので、次の章でご紹介する「2023年11月時点で購入できる1円スマホ」や「1円スマホキャンペーン」は近日中に終了する可能性が高いです。
「1円スマホ」の購入を検討している方は、早めに購入したほうがいいかもしれません。
【2023年11月】購入可能なおすすめ「1円スマホ」と超低価格スマホ
2023年11月時点で購入が可能なおすすめの「1円スマホ」や、1円ではないものの超低価格なスマホをご紹介します。
【楽天モバイル】Rakuten Hand 5G:一括1円
楽天モバイルのオリジナルAndroid端末である「Rakuten Hand 5G」は、「Rakuten Hand 5G / Rakuten WiFi Pocket 1円キャンペーン」の適用を受けると1円で購入できます。なお 「Rakuten Hand 5G」の1円キャンペーンは2023年11月24日(金)8:59までとなっているので検討中の方はお早めに!
Rakuten Hand 5G | |
発売日 | 2022年2月14日 |
取扱キャリア/価格 | 楽天モバイル/一括1円 |
カメラ | 背面2眼+前面1眼 メインカメラ(広角):6,400万画素 サブカメラ(深度):200万画素 フロントカメラ:1,600万画素 |
CPU | QualcommR Snapdragon? 480 / オクタコア 2.2GHz + 2.0GHz + 1.9GHz + 1.8GHz |
OS | Android 11 |
内蔵メモリ(ROM/RAM) | 128GB(ROM)/4GB(RAM) |
ディスプレイ | サイズ:約5.1インチ 解像度:HD+ / 1,520 × 720 |
重量 | 約134g |
バッテリー容量 | 2,630mAh |
防水/防塵 | 対応(IPX8 / IP6X) |
おサイフケータイ | 対応 |
【IIJmio】Xiaomi Redmi Note 10T:110円
「Xiaomi Redmi Note 10T」はIIJmioの「ゴーゴーキャンペーン」により他社からの乗り換えで本体価格が110円(税込み)と超低価格になります。なお「ゴーゴーキャンペーン」も2023年11月30日までとなっているので、気になる方はお早めに申し込むことをおすすめします。
Xiaomi Redmi Note 10T | |
発売日 | 2022年4月26日 |
取扱キャリア/価格 | IIJmio/一括110円 |
カメラ | 背面2眼+前面1眼 メインカメラ(広角):5,000万画素 サブカメラ(深度):200万画素 フロントカメラ:800 万画素 |
CPU | QualcommR Snapdragon? 480 5G Mobile Platform |
OS | Android11ベースのMIUI13 |
内蔵メモリ(ROM/RAM) | 64GB(ROM )/ 4GB(RAM)? ※外部メモリ: microSDXC(最大1TB) |
ディスプレイ | サイズ:約6.5インチ 解像度:FHD+/2400 x 1080 |
重量 | 約198g |
バッテリー容量 | 5000mAh |
防水/防塵 | 対応(IPX8 / IP6X) |
おサイフケータイ | 対応 |
【2023年11月最新】1円スマホが購入可能なキャンペーン一覧
2023年11月時点で1円スマホが購入可能なキャンペーンをご紹介します。
楽天モバイル|端末とプランのセット申し込みで端末料金が実質1円!
上述したように、楽天モバイルでは「Rakuten Hand 5G」を1円で購入できる「Rakuten Hand 5G / Rakuten WiFi Pocket 1円キャンペーン」を開催しています。ただし、「Rakuten Hand 5G」の1円キャンペーンは2023年11月24日(金)8:59までとなっています。
キャンペーン名 | Rakuten Hand 5G/Rakuten WiFi Pocket 1円キャンペーン |
期間 | 2023年4月14日9:00~終了日時未定 ※「Rakuten Hand 5G」の1円キャンペーンは2023年11月24日(金)8:59まで |
割引条件 | ・新規もしくは他社からの乗り換え(MNP)による楽天モバイル申し込みと同時に対象製品を購入 ※楽天モバイルの他の料金プラン(ドコモ・au回線)からの変更でも可 |
対象機種 | ・Rakuten Hand 5G ※楽天モバイル公式サイトからの購入に限る |
スマホ乗り換えドットコム(ソフトバンク代理店)|期間限定キャンペーンで人気端末も実質1円!
ソフトバンクの正規取扱店である「スマホ乗り換えドットコム」では、期間限定キャンペーンとして「スマホSALE」が行われており、1円で購入できる機種もあります。
キャンペーン名 | 期間限定キャンペーン「スマホSALE」 |
期間 | 2023年11月1日~11月30日まで |
割引条件 | ・他社からの乗り換え(MNP)もしくは5~22歳の新規契約で、ソフトバンクの「ペイトク無制限」「ペイトク50」「ペイトク30」「メリハリ無制限+」「スマホデビュープラン+」のいずれかに加入すること。 ※割引が適用される料金プランは機種によって一部異なります。 |
対象機種 ※1円の機種のみ |
・AQUOS wish3 ・Redmi Note 10T |
スマホ乗り換えドットコム(ソフトバンク代理店)|期間限定キャンペーンで人気端末も実質1円!
ソフトバンクの正規取扱店である「スマホ乗り換えドットコム」では、期間限定キャンペーンとして「スマホSALE」が行われており、1円で購入できる機種もあります。
キャンペーン名 | 人気スマホがおトク |
期間 | 終了日未定 |
割引条件 | ・他社からの乗り換え、かつSIMフリー端末(スマホ)とSIMのセット購入 |
対象機種 ※1円の機種のみ |
・moto g53y 5G ・Xperia Ace III ・かんたんスマホ3 ・AQUOS wish ・AQUOS wish2 ・OPPO A55s 5G |
ワイモバイル|他社から乗り換えで一括1円
ワイモバイルでは他社からの乗り換えでスマホの機種代金が一括1円になる「人気スマホがおトク」キャンペーンを行っています。
キャンペーン名 | ゴーゴーキャンペーン |
期間 | ~2023年11月30日まで |
割引条件 | ・他社からの乗り換え(MNP)かつIIJmioモバイルサービス ギガプランの「音声SIM」もしくは「音声eSIM」の申し込みと同時に対象端末を購入 |
対象機種 | ・Xiaomi Redmi Note 10T 一括110円(税込み) |
IIJmio|期間限定でスマホ端末が110円~
IIJmioでは、前述したように、1円ではありませんが他社からの乗り換えで110円からスマホを購入できる「ゴーゴーキャンペーン」を実施中です。
キャンペーン名 | ゴーゴーキャンペーン |
期間 | ~2023年11月30日まで |
割引条件 | ・他社からの乗り換え(MNP)かつIIJmioモバイルサービス ギガプランの「音声SIM」もしくは「音声eSIM」の申し込みと同時に対象端末を購入 |
対象機種 | ・Xiaomi Redmi Note 10T 一括110円(税込み) |
ドコモ・au・ソフトバンクで1円スマホの取扱はある?
ドコモ・au・ソフトバンクでは、24カ月後の設定残債を端末返却によって免除する購入プログラムを提供する形で、実質負担金を減らす割引を実施しています。ドコモ・au・ソフトバンクいずれも回線契約がなくても割引を受けられますが、返却を前提としているため実情は「スマホのリース契約」と考えたほうがよいでしょう。
実際は、2019年に回線契約を適用条件とする割引額に規制が入った影響で、大手キャリアでは1円スマホの販売は、ほぼないに等しい状態です。「1円スマホ」を探している場合は、楽天モバイルやワイモバイルなどのキャンペーンを利用するのがおすすめです。
ドコモのおすすめ割引キャンペーン
ドコモで最新のiPhone15などハイエンドスマホを購入するなら、回線契約をしなくても利用できる「いつでもカエドキプログラム」を利用するのがおすすめ。2年までの返却を前提とした設定残債型の支払い方法で、月々の端末代金を少なくできます。1~23回目の支払い月に返却すると最終回支払額が免除されるため、実質半額でハイエンドスマホを利用可能です。
なお、1年ごとにスマホを買い換えたい人向けに、最大で13か月目から23か月目までの分割支払金が免除される「いつでもカエドキプログラム+(プラス)」もあります。
auのおすすめ割引キャンペーン
auでは、実質半額でスマホを購入できる「スマホトクするプログラム」を実施中。ドコモと同じく2年までに返却すれば、残価分の支払いが不要になります。ただし、返却までに故障したり傷をつけたりすると返却不可となり負担金が発生する可能性があるため注意しましょう。
ソフトバンクのおすすめ割引キャンペーン
ソフトバンクでは端末代金を48分割し月々の支払いを少なくする「新トクするサポート」を行っています。13~24カ月目に返却すれば、最大で24回分の支払いが不要になります。「1年くりあげオプション」を適用すれば、毎年機種変更することも可能です。
ヤマダ電機など大手家電量販店の店頭キャンペーンも要チェック
大手家電量販店では、新生活がスタートする春や年末年始に大きな割引キャンペーンを実施していることが多いです。条件付きや台数に限りがあることもありますが、家電量販店独自の割引が適用されるため、iPhoneを実質1円で手に入れられる可能性もあるためチェックしておきましょう。
「1円スマホ」の注意点 | 回線契約が前提
先述したように、1円スマホは「ショップ独自の割引」をした上で「回線契約を前提とした割引」など複数の割引を同時に適用することで実現しています。そのため、適用条件の1つである「回線契約を前提とした割引」を受けない、つまり回線契約をしない場合は1円での購入は難しいでしょう。
また、回線契約を結ぶことで端末本体を1円で購入したとしても、契約する回線が高額な場合、長い目で見て端末の割引以上に損をするリスクもあります。1円スマホを購入する場合は、端末価格だけでなく回線の料金プランの価格にも注意しましょう。
「1円スマホ」の注意点 | すぐ解約するとブラックリストに掲載される可能性
「一括1円」の場合、1円の支払いのみで端末は「自分のもの」になります。そのため、端末購入後すぐに回線契約を解約することで、「端末のみを安く手に入れる」ことが可能です。しかし、実際は「販売店の極端な値引き」の抜け穴をつくような行為であるため、購入後即時の契約解除は、販売店のブラックリストに掲載されるリスクをはらんでいます。
また、1円スマホを転売目的で購入する人も中には存在します。これらの行為は、NHKでも特集番組が組まれるなど、社会問題に発展しています。いずれにせよ、即時の契約解除や転売目的で1円スマホを購入するような行為は避けましょう。
参考元:NHK クローズアップ現代「スマホ“乗り換え転売”の罠 知らないうちに犯罪に!?」
「1円スマホ」の割引は今後どうなるの?
「1円スマホ」の割引は今後どうなるのか、冒頭でも競争促進プランの1円スマホ規制強化について詳しく解説しましたが、最後に規制の要点をまとめておきます。
白ロム割が規制の対象に
白ロム割とは、現在規制対象になっていない端末を購入するだけで値引きされる端末割引のことを言います。2023年11月に発表された競争促進プランにおいて、この白ロム割の値引きも含めて上限が課されることになりました。規制の導入は2023年の年内を予定しています。
値引きの上限について
値引きの最大上限額は4万円、端末価格が4万円から8万円までの場合は端末価格の50%、4万円以下の場合は2万円が値引きの上限額になります。
まとめ
今回は2023年度内に導入される予定の「1円スマホ」規制の内容について解説するとともに、2023年11月時点で購入可能な1円スマホや超低価格スマホをご紹介しました。
今後も裏ワザを駆使して1円スマホの販売が継続される可能性はあるものの、総務省は通信料金を値下げし、モバイル市場の競争促進と公正な競争を図ることを目指しています。今回の規制以降も、通信会社や販売会社に負荷をかける1円スマホの規制は強化されていくことが予想されます。安くスマホを手に入れたい方は、なるべく急いで購入を検討することをおすすめします。
※サムネイル画像(Image:Dontree_M / Shutterstock.com)
文・ オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
【関連記事】
・ドコモの「ahamo」がユーザー総取り! プラン乗り換え意向調査で見えた驚愕の真実
・【Amazon】注文した商品が届かないときの対処法を解説!
・COSTCO(コストコ)の会員はどれが一番お得? 種類によっては損する可能性も
・コンビニで自動車税のキャッシュレス払い(クレカ・QRコード決済)はどの方法が一番お得?
・PayPay(ペイペイ)に微妙に余っている残高を使い切るにはどうすればいいの!?