スベンド・ブローダーセン 写真:Getty Images

 横浜FC所属の東京五輪ドイツ代表GKスベンド・ブローダーセンには、ファジアーノ岡山へ完全移籍の可能性が一部で報じられている。同選手は横浜FCに対する恩義を感じ、過去にヴィッセル神戸や鹿島アントラーズ移籍を拒否したことで注目を集めていた。

 ブローダーセンは2021年夏にU24ドイツ代表の一員として東京五輪に参戦するとともに、ドイツ2部FCザンクトパウリから横浜FCへ完全移籍。正守護神として2022シーズンのJ1復帰に大きく貢献したが、今季はJ1リーグでわずか13試合の出場。8月以降は出番がなく、チームも最下位でJ2降格となった。

 そんなブローダーセンは今年7月、ドイツメディア『トランスファーマルクト』のインタビューで、J2降格となった2021シーズン終了後の出来事を回顧。神戸や鹿島へ移籍する可能性があったことを明かした上で、残留に至った理由を以下のように述べていた。

 「確かに『移籍する』と言うのは簡単だった。だけど、それは僕の性格には合わないんだよ。横浜FCは日本へ行く機会を与えてくれたクラブだし、何か恩返しがしたかったのさ。それにJ2リーグでのプレーにも魅力があった。例えば、あるクラブは左右に公園がある小さなスポーツ施設でプレーしている。そういった経験は忘れないね」

 「最初の6か月間、僕は相手に自分の名前、年齢、職業しか話せなかったよ。日本語は他の外国語と比べてそこまで難しくはないけど、毎日コツコツと学ぶ必要があった。ドラゴンボール、ポケモン、遊戯王(を見ること)も日本語学習で役立った。チーム内で孤立しないように、言語と文化を理解することが僕にとって大事だったよ」

 来日前、ドイツ2部FCザンクトパウリでFW宮市亮(現横浜F・マリノス)とチームメイトだったブローダーセン。数カ月前に横浜FCに対する感謝の思いを述べていただけに、出場機会を求めて移籍を決断する可能性も考えられる。