光岡社長が語ったM55コンセプト販売計画の重大なヒント
光岡自動車は11月28日、東京都内で新入社員の内定式を開催した。
光岡自動車は富山に本拠を置く自動車メーカーであり、大規模ネットワークを持つ輸入車ディーラーである。9月に新型ビュート・ストーリー(Viewt story)を発表し、11月にはM55(エムダブルファイブ)コンセプトを披露している。
24年4月から光岡自動車で仕事を始める新人は23名。大学・専門学校卒業生が18名、高校卒生が5名である。メカニックとして専門性の高い職場を受け持つ新人や、販売の現場やバックオフィスのジェネラリストなど希望や適正に合わせて各地の光岡自動車の現場に配属される予定だ。
「みなさん内定式に来ていただいてありがとうございます。やっぱり若いな~。ちょうど5年前に(将来の)100周年を迎えるために、新人を毎年入れていこうということで始めました。ようやく若いメンバーが揃ってきて、100年までいけるという雰囲気になってきました。今年55年が終わって、来年56年に入ります。(創業100年まで)あと45年、あなたたちはいくつになっているのでしょうか?」と、光岡章夫社長はフレンドリ
ーに語りかけるように挨拶を始めた。
そして「数日前に見られたと思いますが、55周年の【M55コンセプト】を一生懸命発表しました。あなたたちの入社式の4月には、はっきりしたことがいえるかな? そのときにはここにおられる誰かに『発売するぞ』ということをいってもらいたいなと、さきほどミツオカ事業部の青木とも話していました」と、入社直後の新人に創業55周年記念のM55コンセプトの量産モデルの発表を託す意向を表明。開発責任者やデザインの責任者ではなく、新人に発表のセレモニーを委ねようというのである。内定式に参加した入社予定の学生さんたちにはわからないかもしれないが、世間的には『常識破り』、それも『飛び切りの』と修飾するのがふさわしい。
「みなさんにお伝えしたいことはひと言だけなんです。会社というのは利益を上げるところじゃないんです。仲間と一緒に楽しくリズムに合わせて、楽しんでいただきたいというのが一番です。そうじゃないと、長く一緒につきあうことができない。一番に楽しくあること。『つまんないな、こんな会社』という人は、ハイ辞めてください。光岡はそうはさせません。楽しさが一番。仕事は楽しさなんです。勉強より仕事のほうが楽しくできるから。安心して、4月に待っております。みなさんと全員と顔合わせできるように、入社式でまたお会いしましょう」と光岡社長は挨拶をしめくくった。
入社式でまたお会いしましょう、という言葉の背景は、その後に乾杯の挨拶をした石井澄人(東海ふそう支配人/三菱ふそう、前GMジャパン社長)が「何人が入社式に参加しない内定者がいるんです、卒業できなくて」という言葉と関係があるのかもしれない。
ところで、M55コンセプトは、光岡自動車創業55周年を記念して開発した1970年代テイストのモデル、昭和の右肩上がりの時代を象徴するようなデザインで注目を集める新型車だ。
内定書の授与式の後は、光岡社長がボーカルを務めるバンド、Acting(アクティング)のライブ演奏。エルビス・プレスリーのヒット曲を中心に、女性ボーカル(松井珠美さん)と抜群のコンビネーションで30分以上にわたってステージに立った。途中、GMジャパンの若松格社長がドラムスで参加するサプライズもあった。
ライブハウスに不慣れな内定者たちもいたようだが、光岡社長が歌うエネルギッシュなエルビスの名曲はどのように響いたのだろうか。順調にいけば、2024年に開催する内定式は、この日の内定式に参加した24年入社の新人たちが仕切り役として参加している可能性が高い。
提供元・CAR and DRIVER
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