日本の伝統文化、茶道。中でも食事を含めた正式な茶会である「茶事」はその醍醐味だという。

東京・表参道「南青山 即今」では、根津嘉一郎さんゆかりの「歳暮茶会」を再現したコース料理を12月7日(木)から提供している。

また、武蔵野市の茶室「一枝窓」にて解説付で夜会の茶事を体験する茶事勉強会と、新宿区の「色離庵」にて茶道具のひとつである「茶杓」について学ぶ数寄勉強会を開催する。

表参道の隠れ家、茶事体験店「南青山 即今」

「南青山 即今」は、茶道宗和流十八代の宇田川宗光さんが監修する茶事体験の店。宗和流とは金森宗和を祖とする茶道の流派で、雅な道具を好むことから「姫宗和」とも呼ばれ、宮中にも影響を与えたという。

同店では蝋燭灯りの小間の茶室で行われる茶道の点前と、広間での茶懐石を愉しめる。

洋食やカクテル、ビーガン料理等、新しい趣向も柔軟に取り入れるのが特徴で、出張茶懐石料理店「いわや」で30年以上修行した板長の岩谷博一さんを筆頭に、菓子職人やバーテンダー、海外レストラン経験者などさまざまな経歴を持つスタッフたちが腕を振るう。

今回始まったのは、この1年でお世話になった人に感謝の意を伝える歳暮の時期、12月にふさわしいコース。

根津美術館のコレクションを蒐集したことでも知られる根津嘉一郎さんは、大正8年以降、毎年恒例として年末の茶会を催した。さまざまな趣向を凝らした茶会は好評を博し、明治大正時代の茶会記録「東都茶会記」にも度々紹介され、茶人の高橋箒庵さんからは「歳暮茶博士」とまで評されたという。

「南青山 即今」ではこの「歳暮茶会」の懐石を“即今風”に再現したコースを味わえる。

即今コースの一例

即今コースの一例

解説付で茶の世界を学べる12月のイベント

また、茶事の愉しみをもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、12月中に2つのイベントを予定する。いずれも予約サイトから予約を受け付ける。

12月16日(土)16時より、武蔵野市の茶室「一枝窓」にて茶事の愉しさを解説付で体験する「茶事勉強会 夜会の茶事」が開催される。講師は茶道宗和流十八代家元の宇田川宗光さんが務める。

参加者は亭主側、客側に分かれて、茶事の流れを勉強する。予約状況により亭主側、客側など希望に添えない場合があるため早めの申し込みが推奨される。

12月24日(日)14時からは新宿区「色離庵」にて茶道具のひとつ、「茶杓」を学ぶ勉強会が開催される。

抹茶を茶器からすくって茶碗に入れるための匙であり、素材や形状も多岐にわたる「茶杓」の魅力を探求する。講師は、同じく茶道宗和流十八代家元の宇田川宗光さんが務める。

暮れのひととき、お世話になった人とともに茶を愉しむという日本らしい風雅な習慣を体験してみるのはいかだろうか。

南青山 即今
所在地:東京都港区南青山5-12-4 全菓連ビル B1F

茶事勉強会 一枝会(夜会の茶事)
開催日時:12月16日(土)16時より2時間半程度
開催場所:「一枝窓」
所在地:東京都武蔵野市関前4-10-12
参加費:20,000円

数寄勉強会 嘯風会(茶杓)
開催日時:12月24日(日)14時より
開催場所:「色離庵」
所在地:東京都新宿区上落合2-23-2
参加費:4,000円

(SAYA)