席札によると、米企業幹部のうち最もVIP扱いだったのは、アップルのクックCEOで中国の王文涛商務相の隣に座っていたといいます。一方で、マスクCEOは習氏と個別で会談しテスラの中国開発に支援表明したこともあって、VIPレセプションには出席したものの、晩餐会には残りませんでした。
米企業幹部に送った習氏のメッセージは「ウィン・ウィンの関係」です。席上で「我々にとっての第一の問題は敵対関係にあるのか、それともパートナーなのか、ということだ」と習近平は問いかけた上で「もし相手を第一の競争相手、最も重大な地政学的脅威とみなすなら、それは誤った情報による政策立案、誤った行動、望ましくない結果を招くだけだ」と発言。その上で、終始は敵対関係ではなく、中国は米国とのパートナーシップ、つまり「ウィン・ウィン」の関係を望んでいると強調したといいます。
両国のウィン・ウィン関係の一環として、習氏が話題に取り上げたのは「パンダ」です。最近ワシントンのスミソニアン動物園から3頭のパンダが中国に返還されましたが、中国は再び米国にパンダを送ると方針を表明。「パンダは長い間、中国人とアメリカ人の友好の使者だった…パンダの保護に関する米国との協力を継続し、カリフォルニアの人々の希望に応え、両国民の友好関係を深めるために最善を尽くす用意がある」と述べました。ちなみに、候補にはサンディエゴ動物園が挙がっています。
米中関係は、パンダのように敵か味方か白黒つけられるものではありませんが、少なくとも2024年まではグレーラインで進んでいくのでしょう。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2023年12月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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