川崎フロンターレのサポーター 写真:Getty Images

 川崎フロンターレは今月9日に国立競技場で行われる天皇杯決勝で、柏レイソルと対戦する。この一戦は元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンのラストマッチとも報じられる中、チケットは完売。それでも告知活動を実施している理由を、同クラブの天野春果プロモーション部・部長が説明した。

 川崎は今季のJ1リーグで8位に終わったものの、天皇杯では高知ユナイテッドSCやアルビレックス新潟、アビスパ福岡などを下して決勝へ進出。2020シーズン以来2度目のタイトル獲得をかけて、柏と激突する。

 天皇杯を主催する日本サッカー協会(JFA)は、今月1日に決勝戦のチケット完売を公式発表している。そんな中、天野氏は7日に東急電鉄・溝の口駅で決勝戦の告知活動を実施したことを報告。X(旧ツイッター)で「チケットは完売してるけど、これを機会に一人でも多くの人にフロンターレを知ってもらおう」と綴っている。

 そんな天野氏は今年10月、今季終了をもってクラブを離れることをファン・サポーターに報告している。それだけに「この蒼黒ユニを着て駅頭活動するのはこれで正真正銘最後なんだなー、と噛み締めながら一つ一つ気持ち込めて配布しました」と自身の思いを綴るとともに、「天皇杯獲りましょう〜!」と気持ちを高ぶらせている。

 天野氏はアメリカのワシントン州立大でスポーツマネジメントを学び、1996年のアトランタ五輪にボランティアで参加。帰国後は複数のサッカークラブから不採用を告げられながらも、1997年に川崎フロンターレの前身である富士通川崎フットボールに採用された。

 そして2000年代はじめに日韓W杯の運営で出向。川崎に復職後、プロモーション部の部長に就任し、地域密着イベントなど画期的な企画を相次いで実施。2021年の東京五輪でも大会組織委員会に出向するなど、経験豊富な人材としてファン・サポーターから絶大な支持を得ている。