北海道コンサドーレ札幌からディナモ・ザグレブへ期限付き移籍中のMF金子拓郎は、今月4日に行われたクロアチア1部リーグ第17節のNKスラヴェン・ベルポ戦で2アシストをマーク。指揮官から評価される中、早くも買い取りオプション行使による完全移籍の可能性が現地で報じられている。
札幌の主力選手だった金子は、今年7月にディナモへ1年レンタルにより加入。シーズン開幕当初は出場機会に恵まれなかったが、9月末の国内カップ戦で移籍後初ゴールを挙げると、その後は徐々に出場時間が増加。10月29日のリーグ戦で後半アディショナルタイムに劇的決勝ゴールを奪ったほか、先月30日開催のUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)アスタナ戦で同大会初ゴールをマークしていた。
そしてベルポ戦では前半18分にペナルティエリアで左足からシュートを放つと、20分に右サイドからのクロスにより先制ゴールをアシスト。78分にも右サイドでのドリブル突破からクロスを挙げ、追加点を演出。
ディナモが2-1と勝利すると、セルゲイ・ヤキロヴィッチ監督は試合後に「金子は謙虚だったし、そんな彼をチームも受け入れた。(10月29日の)ロコモティバ戦で決勝ゴールを決めて以降、彼の自信はさらに増している。違いを生み出している存在だ。こういう選手こそ、今世界中で求められている。偽りのない新戦力であることを証明してくれた」と賛辞の言葉を送っている。
現地での評価が上昇している金子だが、クロアチア紙『Sportske novosti』は「ディナモが金子を完全獲得するのは確実だ」とリポート。「“確実”というのは条件付きだ。怪我のリスクを考慮して、買い取りオプション行使はシーズン終了の1カ月前に合意するのが一般的だ」と伝えている。
一方でクロアチアメディア『Germanijak』は、ディナモが札幌に40万ユーロ(当時約6200万円)のレンタル料を支払っていることを伝えた上で、買い取りオプションは100万ユーロ(約1億6000万円)であると報道。買い取りオプション行使額を「決して高くはない」とした上で、「彼にはエゴや傲慢さが足りないが、誠実さと真面目な姿勢で補っている。この日本人選手のメンタリティーが報われている」と同選手の性格に触れている。