高級時計の世界で七つの重要な発明を生み出して特許を取得してきたグルーベル・フォルセイが、アトリエが生んだ8番目の発明“トゥールビヨン カルダン”を公開。あわせて、今後5年間の製造予定数も発表された。
時計機構の精度を新たな高みに到達させることを目指して設計され、三つの原理が組み合わされているという“トゥールビヨン カルダン”。ひとつ目の“トゥールビヨン”は、アブラハム=ルイ・ブレゲが 1801年に特許を取得したもので、垂直方向の位置の違いによって生じる誤差を補正するよう設計されていた複雑機構。ほとんどのトゥールビヨンが60秒で1回転するのに対し、この8番目の発明ではその4倍近い速度の16秒で回転することで、平均的なパフォーマンスを従来よりはるかに向上させた。さらに、このトゥールビヨンには、グルーベル・フォルセイが設計・開発・製造した大型テンワが初めて組み込まれ、衝撃やスピードの変化にも影響を受けにくくなっているという。
二つ目は“30度傾斜した回転面”。2世紀以上前に考案されたトゥールビヨンは、垂直に装着される懐中時計のために設計されたもので、それを21世紀の日常生活において最適な腕時計に応用するため、デザインが全面的に見直された。
三つ目の原理は、この“30°高速トゥールビヨン”を2本の90°軸で結んだ2つの可動リングによって誘導するというもの。48秒で前後に傾くリングの傾きが“+30度~ -30度”に制御される一方、トゥールビヨン本体が同じく“30度°に傾斜することで、角速度と時計性能との比率を向上させている。
また、トゥールビヨン カルダンには同軸に積み重ねられた4つの香箱があり、パワーリザーブは80時間を実現。二つのアーチ型カルダンリングにより、空を飛んでいるかのように見える独創的な外観も魅力のひとつだ。高い技術が駆使されたこのキャリバーは、 1年で最大11本、今後5年間で55個のみしか製造されないことも発表されており、45.5mmのチタン製ケースに収められた本作も大変貴重なタイムピースといえる。
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文◎Watch LIFE NEWS編集部
提供元・Watch LIFE NEWS
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