入れ歯の効用

日常の臨床現場では、「私はどうしても、入れ歯は嫌!」とおっしゃる患者さんが少なからずいらっしゃいます。しかし、上の統計のように、長生きをして歳を取れば失う歯の数も増え、現実的には入れ歯のお世話になるようになっています。歳を経れば、たいていの人は歯を失うことから逃れられないのですが、入れ歯でも、きちんと合うまで治療すれば、口を意識することなく十分な咀嚼ができます。

そして、咀嚼の充実を図るために一番重要なのは、「自分の歯で食べる」ことではなく、「自分の口で食べる」ことです。

方法・手段にかかわらず、歯を失っても歯科医療によって咀嚼がしっかりできる状態に回復・維持し、さらに意識した咀嚼の充実を図ることによって不健康を避け、長く働き日本を支える。そのために咀嚼を充実させることが、もっとも重要かつ根本的なことなのです。

つまり、日本の未来は「口の健康」を担う歯科医療が救う、といえます。

ここまで、拙著『歯・口・咀しゃくの健康医学』をもとにお話ししてきましたが、いまだに「口の健康」が、これほど大事だということが世間には広まっていません。これは非常にもったいないことです。「口の健康」を保ち咀嚼を充実させることが、あなたの人生をより良く全うするため、また日本の未来を救うためにも重要な鍵となることは間違いありません。

(文=林晋哉/歯科医:外部執筆者)

提供元・Business Journal

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