楽天の勝機
ITジャーナリストの山口健太氏はいう。
「当初、楽天モバイルは『1GBまで0円』を前面に打ち出し、『ポイント狙いでもいいから』といって契約者を増やしてきました。拡大を急いだ理由のひとつには、iPhoneの取り扱いでアップルと契約するために一定の規模を求められていたのではないか、との見方があります。その後、三木谷氏は『0円でずっと使われてもぶっちゃけ困る』と手のひらを返し、大炎上しました。今回の『ポイント狙い』という言い方にも棘があり、楽天会員を敵に回しかねない危うさを感じますが、文脈としては『たくさん楽天を使ってくれる人を歓迎する』という意味でしょう」
なぜ契約者数は伸び悩んでいるのか。
「楽天モバイルの魅力として『使い放題で安い』という点がありますが、現在割り当てられている電波の特性から、エリア内とされる場所であっても建物の奥などでつながりにくい場合があります。また、データ容量は3〜15GB程度で十分という人も多く、その場合は同価格帯のワイモバイルやUQ mobileのほうが無難という判断になるでしょう」
三木谷社長は伸び悩みの理由について「楽天モバイルがSPUプログラムに組み入れられたことが、まだよく認知されていない」と分析しているが、楽天モバイルの回線を契約するメリットは大きいといえるのか。
「SPUは、楽天のサービスを使えば使うほど、楽天市場で買い物したときのポイント倍率が上がる仕組みです。楽天モバイルの最低料金は月額1078円ですが、楽天でよく買い物する人ならそれだけで元が取れる場合が出てきます。楽天は『ポイ活』で大量のポイントを獲得しやすいことから、『ポイントで携帯料金を支払えば実質タダになる』と楽天はアピールしています。こうした循環が広まっていけば楽天にも勝機はあるでしょう」
(文=Business Journal編集部、山口健太/ITジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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