2020年に登場したコンパクトSUVの日産キックスに搭載されているパワートレインは、ノートやセレナに搭載し、スマッシュヒットを飛ばしたe-POWERの1種類となっています。
ここでは、キックスに搭載されているe-POWERと呼ばれるシリーズハイブリッドシステムについて紹介しましょう。
e-POWERは搭載されているエンジンで発電を行い、その電力でモーターを駆動させて走行するシリーズハイブリッドです。
したがってBEVのように充電する必要はありませんが、走行フィールはBEVという電動車となっています。
文・写真/萩原 文博
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エンジンのスペックを紹介
モーターのスペックを紹介
エンジンのスペックを紹介
e-POWERは、ガソリンエンジン、発電機、インバーター、モーターから成るコンパクトな一体型パワートレインと高電圧バッテリーから構成されています。発電を行うガソリンエンジンは、HR12DE型1.2L直列3気筒DOHCです。
最高出力82ps、最大トルク103Nm発生します。搭載されているエンジンは一部改良での仕様変更はありませんが、低速走行時のエンジン始動頻度を低減させたことにより、静粛性が向上しています。
モーターのスペックを紹介
搭載している1.2L直列3気筒エンジンで発電した電力を使って、モーターのみで走行させるのがe-POWERの特徴です。デビュー当初キックスのe-POWERに採用されていたモーターはEM57型の交流同期電動機です。最高出力129ps、最大トルク260Nmを発生。WLTCモードで21.6km/Lを実現していました。
2022年7月の一部改良で、モーター出力を約5%、最大トルクを約7%向上させた第2世代e-POWERを搭載しました。フロントモーターはEM47型交流同期電動機で、最高出力136ps、最大トルク280Nmを発生。4WD車に搭載されているリアモーターは、MM48型交流同期電動機で最高出力68ps、最大トルク100Nmを発生します。
燃費性能は2WD車が23.0km/L、4WD車は19.2km/Lとなっています。