中古車は一期一会。新車であればどこで買っても同じ状態であることが担保されているといえるが、中古車は個体差があるものだ。オークションが広まったことで、割合に全国どこでもコンディションと価格は同じ程度になっているが、同じ値段で同じものが買えるという商品ではない。つまり、まだまだユーザーの目利き力が問われる部分がある。文・山本 晋也
まず、最初にチェックすべきは走行距離や修復歴の有無といった基本的なコンディションだ。狙っているクルマがあるのなら、中古車情報を眺めて相場観を鍛えておくのもいいだろう。
その際にポイントとなるのは相場とかけ離れた値付けとなっているケース。単純に安くなっていることは少なく、車両になんらかの問題を抱えている場合もあり得る。
意外に見落としがちなのは修復歴に含まれない修理の有無。たとえば、バンパー交換は修復歴に含まれないが、作業の質が悪いとバンパーとボディで色味が違って見えるといったこともある。
そのほか、車種によっては乗り降りによってシートが擦り切れやすいこともあったりするが、そうした車種別のチェックポイントは事前にリサーチしておく必要がある。クルマによってボディカラーによって相場価格が異なるケースもあるので、そうした情報もフォローしておきたい。
予算だけを決めて「1.5L以下のハッチバック」や「2.0Lクラスのミニバン」といった大雑把な条件で中古車を探すのであれば、出会いを大事にして、その個体の装備に納得すれば購入を決断すればいいが、特定の車種を探す場合にはグレードによる装備差(例:オートエアコンやフォグランプなど)をあらかじめ調べておく必要がある。
絶対に欲しいグレードで、欲しいボディカラーに出会えるとは限らないので、ある程度の妥協点も考えておきたい。とはいえ、同じ車種で異なるグレードが店頭に並んでいるケースで、欲しいグレードの個体の走行距離が延びていたり、車体の小傷といったコンディションで劣っていたりするケースもある。
どのような選択が幸せなカーライフにつながるか、じっくり考えて検討してほしい。
最近のクルマで注意すべきは、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)や追従クルーズコントロール(ACC)といった先進安全装備だ。どんどん進化している技術だけに、グレード間やマイナーチェンジ前後による差が大きい傾向にある。
たとえば、スズキの軽自動車であれば同じ車種でも前期型は低速でしか機能しないAEBだったのに、マイナーチェンジ後は歩行者も検知できる高性能タイプになっていることもあったりする。ACCについてもグレードにより渋滞対応をしていたり、していなかったりというケースもある。
中古車の場合は、そのあたりの判断はユーザー側でしっかりとする必要がある。
このあたり、年式だけでは判別できないケースもあるので、かなり勉強しないと難しい。先進安全装備における判別ポイントはセンサーの種類と機能をリンクさせて覚えておくことだったりするが、そこまで勉強するのはあまりにもマニアック過ぎるかもしれない。
中古車というのは基本的に値引きがない。そうなると、同じようなコンディションの同一車種であれば、安く売っているほうになびきがちだが、中古車店によって登録などにかかる諸費用が異なっている。
車両価格は安いと思ったお店の諸費用が高くて、トータルでの支払い額が高くなってしまったということもあるのだ。
また、保証期間や保証をつけるための費用もお店によって異なっている。そうした部分まで考えて、お店やクルマを選ぶようにしたいものだ。
提供元・CarMe
【関連記事】
・車用キズ消しおすすめ12選!車のキズを消そう【2020年版】
・【2020年版】お金がなくても乗りやすい国産スポーツカーおすすめ10選!平均中古価格も掲載!
・ポルシェに認められたネクセンタイヤ…オールシーズンタイヤ”エヌブルー4シーズン”を飯田裕子氏が徹底解説
・119.9万円から...大人気SUVのトヨタランドクルーザープラドの中古購入をおすすめする理由と評価
・「燃料残量警告灯(ガソリンランプ)」が点滅しても、あと50kmは走行できるって本当?