ヌアンパン・ラムサム氏 写真:Getty Images

 実業家で、タイ代表マネージャーも務めるヌアンパン・ラムサム氏(通称マダム・パン)が、来年2月に行われるタイサッカー連盟(FAT)の会長選に立候補することが明らかとなった。現会長のソムヨット・プンパムアン氏は立候補せずに、2月末に退任する意向だ。

 ソムヨット氏の後任を決める新会長選は、来年2月8日に開催される年次総会の中で行われる予定。立候補の申し込み期限は今年12月9日に迫っている。有力候補とされるマダム・パンが当選すれば、史上初の女性会長となる。

 資産家一族に生まれたラムサム氏は、1966年生まれの57歳。保険会社ムアンタイ・インシュアランスの社長兼CEOであり、2015年からはタイ1部ポートFCのオーナーも務めている。2008年から10年以上にわたりタイ女子代表マネージャーを務め、史上初の女子ワールドカップ出場に貢献。現在はタイ代表マネージャーとしてチームを支えている。メディアにも度々登場し、その美貌が話題になることも多い。

 マダム・パンは12月4日、バンコク市内のホテルで記者会見を開き会長選出馬を表明。この席で選挙期間中の支援チームをお披露目した。当選した暁には、この中から最大5人が副会長に就任する見通しだという。マダム・パンは「力を合わせてタイ代表を支援してタイサッカーを強化しよう」とのスローガンを発表した。

 立候補の目的については「立候補の目的は、分裂を生んだり派閥を作ったりすることではありません。このチームには才能あるメンバーが揃っており、タイサッカーをより良い方向に導くことができると信じています。タイサッカーのさらなる発展を目指し、近い将来ワールドカップに出場できるよう団結を呼びかけたいと思います」と語った。

 なお、タイ代表は2026FIFAワールドカップアジア2次予選グループCの第2節を終えて、1勝1敗の2位につけている。同組では韓国が頭一つ抜けており、シンガポールは他より力が劣るという状況で、中国とタイの2位争いが予想される。

 タイ代表では近く、日本人の石井正忠氏(元鹿島アントラーズ、元大宮アルディージャ)が新監督に就任する予定となっており、タイだけでなく日本でも注目が高まっている。石井氏は、タイ1部ブリーラム・ユナイテッドを率いて2年連続となる国内3冠(タイリーグ、タイFAカップ、タイリーグカップ)を達成しており、マダム・パンからもその手腕が高く評価されている。