田中碧 写真:Getty Images

 ドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属の日本代表MF田中碧は、AFCアジアカップ参戦の可能性が高いため今季いっぱい残留する見通しと報じられていた。しかし、デュッセルドルフの厳しいチーム編成により、来年1月移籍の可能性が再び浮上している。

 田中は昨季終了後、クラブ幹部に移籍を志願も残留。9月以降はレギュラーから控え要員に降格していたが、先月21日の第10節カイザースラウテルン戦から2試合つづけてゴールをマーク。今月2日の第15節ニュルンベルク戦では1ゴール1アシストの活躍で、チームを勝利に導いている。

 デュッセルドルフの契約は2025年6月まで残っている田中の去就を巡っては、以前から今冬移籍の可能性が報じられる中、同クラブのクラウス・アロフスSD(スポーツディレクター)が先月19日に「田中とのことは秘密ではない。彼とは長期契約を結んでいるが、双方の都合に合わせて変更は可能だという点で、我々も彼に同意する」と、退団容認の方針を明かしていた。

 しかしドイツ誌『ビルト』は先月23日に「田中は今季途中で移籍する可能性はない」と伝えた上で、背景のひとつとしてアジアカップ参戦によるリーグ戦、カップ戦の欠場を挙げていた。

 ただ『ビルト』は今月はじめになって「田中の放出は避けられない」と、一転して退団の可能性を報道。これによると、デュッセルドルフは所属選手が23名とリーグ最少であるほか、財政難に陥っているとのこと。5日開催のDFBポカール(ドイツ国内カップ戦)ラウンド16で勝利し、賞金を確保した場合でも補強をするためには移籍金収入が必要だという。

 なお田中が来年1月に残留した上でアジアカップに参戦する場合、デュッセルドルフはリーグ戦最大4試合で同選手を欠くことになる。