秋春制移行に関する議論が進むJリーグ。北陸や東北など降雪地域にホームスタジアムを構えるクラブに対するサポート案も報じられているが、アルビレックス新潟OBの鄭大世氏は、実現不可能との見方を示している。
秋春制移行に対しては、降雪地域にホームスタジアムを構えるクラブからの反対意見が相次いでいる。そんな中、かつて2020シーズンに新潟でプレーしていた鄭大世氏は、DAZN制作番組『J ZONE2023』出演時に以下のようなコメントを残している。
「秋春制にした方が良いとは思っているけど、条件を見たら無理だなと。降雪地の条件が悪すぎるし、打つすべがない。もし(降雪地域にホームスタジアムを構えるクラブが)冬に試合をやらないようにしたり、時期をずれせば、今度はそのクラブに誰も行きたがらないという現象が起こる。(降雪地域の)クラブにとってはかなり不利で、ちょっと無理かなと。賛成派だけど、メリット、デメリット以前に無理」
秋春制移行の可能性を巡っては、いわてグルージャ盛岡の秋田豊代表取締役社長が先月19日に行われたシーズン移行説明会にて、「個人的な意見」と前置きした上で以下のように述べている。
「今、シーズンはヨーロッパとずれています。ずれていても海外に大体120人くらいの選手が出ています。ということはJリーグのトップの120人がいなくなっている。Jリーグのレベルは確実に下がっています。だからといって良い外国人が来ているかというと昔のような代表クラスの選手というのはほとんどいないです」
「またヨーロッパとずれているからこそ違約金でお金を取れています。だけどシーズン移行によってヨーロッパと同じになれば、選手は1年契約でしか契約をしなくなってしまう。そうするとクラブにお金を残さない出て行ってしまう」
「今120人っていうのが200人になってしまうかもしれない可能性があります。もちろん帰ってくる選手もいると思います。でもすごく難しい状況になってしまうんじゃないかなと僕は心配してJリーグの方に伝えています」
また新潟のスタジアムMCを務めているお笑い集団『NAMARA(ナマラ)』の森下英矢氏は、秋田社長の意見に賛同。Xで盛岡が公開したシーズン移行説明会議事録を引用すると「自国リーグを強くするなら海外の事情ではなく、自国の事情に沿ったリーグにすべきだよね」と主張していた。