セクシャルマイノリティー(性的少数者)の認知が世界中に広まる中、いわゆるLGBTにおさまりきらないセクシャリティを持つ人々の存在も徐々に明らかになりつつある。この度ご紹介するのも、性的欲求を持つとも持たないともいえない「デミセクシャル」と呼ばれる新たに発見されたセクシャリティだ。
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■性愛者でも無性愛者でもない「デミセクシャル」とは?
オンライン俗語辞典「Urban Dictionary」によると、デミセクシャル(demisexual、半性愛)とは、性愛者(sexual)と無性愛者(asexual)の中間(demi)にある性的アイデンティティだという。2008年ごろ、アセクシャルコミュニティ「The Asexual Visibility and Education Network」がその存在を指摘して以来、欧米で徐々に認知されてきたそうだ。
デミセクシャルの人は、しばしば、他者に対して性欲や恋愛感情を抱かない、いわゆる「Aセク」(無性愛者、asexual)と同一視されてきたが、半性愛と呼ばれるように、完全な無性愛というわけではなく、時には強い性的欲求を持つという。ただ、男女関係なく他者との強い心理的繋がりを感じない限り、相手に対し性的欲求が生じないということだ。つまり、基本的には性欲を持たないが、心理的繋がりを感じるトリガーが引かれることで、性的欲求が生じるという。
だが、これは極めて“普通”ではないだろうか? むしろ、とっかえひっかえ誰とでも寝るような人物の方が“異常”であり、社会的には愛情と性的欲求は重ねあうべきだと思われているのではないだろうか? 一体、デミセクシャルのどこが“普通”ではないのだろうか?