小野伸二 写真:Getty Images

 今季限りでの現役引退を表明している北海道コンサドーレ札幌所属の元日本代表MF小野伸二は、3日開催のJ1リーグ最終節・浦和レッズ戦でスタメン出場。FC町田ゼルビアOBの鄭大世氏が、ヴィッセル神戸でプレーしていた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタと小野の共通点を指摘。現代サッカーのスタイルに言及している。

 ファンタジスタとして活躍してきた小野は、古巣・浦和との一戦が現役ラストマッチに。キャプテンマークを巻いてピッチに立つと、敵陣左サイドからのフリーキックでチャンスを演出。前半21分でピッチを後にする時には、両チームの選手やサポーターから拍手を浴びている。

 DAZN制作番組『J ZONE2023』にゲスト出演してる鄭大世氏は、小野の現役引退を受けて「この3、4年でサッカー自体が変わっている。強度が重視されるようになって、ファンタジスタが生き残れなくなっている。小野さんとかまさにそうだけど、(ファンタジスタがいなくなるのは)寂しい」とコメント。

 「サッカーが進化しているということだと思うけど、昔を知っている人間からしたら、小野さんみたいなプレーヤーがひとりいてほしいと思う。神戸にいたイニエスタや小野さんとかそうだけど、全ポジション圧倒的な運動量を見せないと、試合に出れないという時代。(フランチェスコ・)トッティも現代サッカーを批判していた」と、プレー強度重視のサッカースタイルに対する複雑な心境を覗かせた。

 バルセロナで数多くのタイトルを獲得したイニエスタは、2019シーズンに天皇杯優勝を成し遂げるなど、神戸でも中心選手として多大な功績を残していた。しかし昨年6月の吉田孝行監督就任以降は出場機会が激減。今年7月に神戸を退団し、UAE1部エミレーツ・クラブに加入している。