ティーラトン・ブンマタン 写真:Getty Images

 かつてヴィッセル神戸や横浜F・マリノスでプレーしていたタイ代表DFティーラトン・ブンマタンに厳罰が科されるかもしれない。タイ1部ブリーラム・ユナイテッド所属の同選手は、先月29日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの浙江(中国1部)戦で乱闘に関与した模様。アジアサッカー連盟(AFC)から処分を受ける可能性が、現地で報じられている。

 浙江のホームで開催された一戦では、計8枚のイエローカードが提示されるなど、荒れた試合に。試合終了直後に一部選手の口論から乱闘に発展すると、ブリーラム所属FWラミル・シェイダエフが相手選手の首を絞めるなど、両チームの選手による複数の暴力行為が確認されている。

 またブリーラムの公式インスタグラムアカウントでは、乱闘の様子をアップするとともに「これがACL?サッカーをしに来たのか、戦場に来たのか」と投稿。これに対して浙江は英語とタイ語を交えながら「君たちの態度が、君たちのレベルを決めるんだよ」と反発。所属選手がティーラトンともみ合いになる時の様子をアップするとともに、「タイのキャプテンが『f●●k chinese』と言い放ち、男らしさを見せた瞬間だ。愛と平和を」と、乱闘の原因がティーラトンにあると主張していた。

 一部選手に対するACLグループステージ最終節での出場停止処分も予想される中、マレーシア紙『Vocket』は、「多くの中国メディアが、乱闘の原因がティーラトンの言葉にあると伝えている」とした上で、「ACLでの乱闘は、アジアサッカーのイメージを損なうものである。AFCはティーラトンに対して、AFCアジアカップへの出場を禁止する可能性がある」と伝えたのだ。

 タイ代表は先月16日に行われたFIFAワールドカップ北中米大会(北中米W杯)アジア2次予選の中国戦で1-2と逆転負けを喫すると、21日のシンガポール戦で3-1と勝利した後に、アレシャンドレ・ペルキングから石井正忠へ監督交代。アジアカップのグループステージではキルギス、オマーン、サウジアラビアと対戦する。

 石井氏は2022/23シーズンまでブリーラムの指揮官として、ティーラトンの指導に当たっていた。それだけにティーラトンがアジアカップ出場停止となれば、タイ代表や石井新監督にとって大きな痛手となりそうだ。