情報公開が遅れた企業体質の問題
ITジャーナリストの三上洋氏はいう。
「特に21年3月の件は、中国の委託先に関するもので、中国では企業は政府から要請があればいかなる情報をも提供しなければならないと定める国家情報法があることから、日本政府は重く受け止め、世間からも大きな批判を浴びた。そして今年8月の件は韓国ネイバーへのデータ提供、今回の件はサイバー攻撃によるものと、3つとも性格が異なる事案だが、共通しているのはネイバーがらみであるという点。今回もネイバー子会社の委託先がサイバー攻撃を受け、この子会社と旧LINEが社員向けシステムで共通基盤を使っていたため、この子会社を介してLINEのサーバが不正アクセスを受けた。もともと旧LINEはネイバーの子会社だったため仕方がない部分はあるものの、現在では保有比率が高いとはいえ一株主にすぎないネイバーとLINEヤフーが『やはり一体なのではないか』という疑念を我々ユーザは抱いてしまう。
また、今回の件ではLINEヤフーの企業体質に問題だと感じられる点がある。同社が不正アクセスの可能性を検知し調査を開始したのは10月であり、公表までに1カ月以上を要している。同社は影響範囲を調査するためだったと説明しているが、10月といえば、LINEとヤフーの利用者ID連携がスタートしたことでLINEヤフーが提供する各種サービスでは、利用者にプライバシーポリシーへの同意を求める画面を出していた。あの同意画面を一言でまとめるなら『LINEヤフーのサービスを利用するなら弊社を信頼してくださいね』と合意を求めるものだが、その一方で同社は重大なセキュリティ事案を隠していたとも受け取れる。速やかに事実を公表すべきだったのではないか」
(文=Business Journal編集部、協力=三上洋/ITジャーナリスト)
提供元・Business Journal
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?