1966年発売の「650-W1」に始まる「W」というブランド。誕生からやがて60年になろうかというそのスピリットを受け継いだW800は、トラディショナルなデザインで、独自のテイストを漂わせています。存在感のあるバーチカルツインエンジンはその造形にもこだわり、360°クランクならではの等間隔の燃焼パルスが、味わいのある排気音を奏でます。
W800カフェの車種プロフィール
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W800カフェはフロント19インチ、リヤ18インチのワイヤースポークホイールと細身のタイヤが、かつてのビッグバイクの雰囲気を漂わせながらも、入念に設計された車体各部の寸法が、21世紀にも通用するライディングフィールを実現しています。クロームメッキの前後フェンダーをはじめ、入念な仕上げがなされた各部の構成部品が、乗る楽しみだけではない、所有するよろこびをも満たすW800。モーターサイクルライフの奥深さを楽しめる1台です。
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バイクインプレ
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W800カフェの試乗レビューをお送りします。試乗車はビキニカウルを装着したカフェというモデルです。モーターサイクルショーで披露されていましたが、実際に乗ってみると独特なテイストがあります。最もインパクトを受けるのが「スワローハンドル」と呼ばれる形状のハンドルバーで乗り味にも貢献しています。そのほかに各部がグレードアップするなど「排気ガス規制をクリアしただけではない」というカワサキの主張が伝わります。
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特に目立つ変更点は LED ヘッドライト、リアのブレーキがディスク化、さらに外からは見えませんが、アシスタントスリッパークラッチが搭載されたこと。そしてボトムケースの形状が変わっていることから、フロントフォークも新しくなっていることが分かります。見える見えないにかかわらず、各部が大きくグレードアップしているのは、新型の大きな特徴と言えるでしょう。
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エンジン特性を味わう前に気づいた点をいくつかお話しします。まず乗り始めてすぐわかるのが、始動性が大きく向上していることです。先代モデルではインジェクション化が図られていましたが、始動直後に走り出すと、まだエンジンが温まっていない感触がありました。しかし新型はセルモーターを回してエンジンがかかった瞬間にスムーズに走り出すことができます。
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フロントフォークが新しくなっているのも一目瞭然です。メインフレームも刷新されているようです。W650ではハンドル周りの反応がやや敏感すぎた高速道路のクルージングでは肩から力を抜いて余計な力を加えないことを意識する必要がありましたが、このモデルはそうした気遣いは無用で、常に安定した走行を維持しています。
足つき
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シート高は770mmと低く、大抵のライダーは足つきに困ることはないでしょう。着座位置の自由度が高く、どのような状態でも姿勢を維持することに苦労しません。車格は全長×全幅×全高 2135×825×1135mm、車両重量は223kg。エンジン形式は、空冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒で総排気量773cc、ボア×ストローク 77×83mm、圧縮比8.4、最高出力52PS/6500rpm、最大トルク6.3kgf・m/4800rpmとなっています。
走り
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前置きが長くなりましたが、新型のエンジンを味わってみたいと思います。速度はだいたい 90㎞/h、タコメーターは3000回転を示しています。トップギアから加速する感覚は、前モデルと大きく変わらない印象を受けます。
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次にシフトダウンしてエンジンを少し回し気味にします。スロットル操作をこまめに行っていますが、エンジンはスムーズです。360度クランクらしいブルブルとしたバイブレーションが伝わってきますが、とても均一で雑味がない印象を受けます。
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もう1速落としてみます。時速80㎞/h、6500回転です。このモデルのレッドゾーンは7000回転なので、すでに高回転域に突入しています。この域になるとエキゾーストノートの音質が変化します。走行はとても安定しています。路面に根が生えたようにグリップしているというより、18インチのタイヤによるサラッとしたグリップ感や安定感、フレーム、足回りの感触、サスペンションの感触などによって、トータルバランスが形成されているように思います。
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クラシカルでカフェレーサー的な雰囲気を醸し出しているビキニカウルのウインドプロテクションはほとんどありません。また新型にはETC 2.0が標準装備されているので、高速道路を使った移動もスムーズです。
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最後に独特な形状のスワローハンドルがもたらすライディングポジションの感想です。グリップの位置がメーターパネルよりも下にあるので「ライダーの疲労度はどうなんだろう」と懸念していましたが、「このハンドルバーがもたらすライディングポジションはなかなかいい」と思いました。ステップの位置や自由度の高いシートとの相性も良く、ライダーに対する疲労度は少ないと思います。オールラウンドで気軽に扱えるW800は、じっくりとバイクと向き合いたいライダーにフィットするでしょう。
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成したものです。