2024年1月から始まる新NISAは、非課税保有期間が無期限化し、非課税投資枠が全体で1,800万円となる。せっかくの非課税枠なので、どうせなら1,800万円を使い切りたいところだが、何年くらいかけて投資するのがベストなのだろうか。
新NISAでは1,800万円の枠を使い切るには最低600万円の積立投資が必須となるが、積立投資ですべての枠を使い切ると仮定して解説する。
投資金額ごとの投資期間
年間で投資できる金額は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円となる。両方を積立投資で利用すれば、年間360万円まで投資が可能だ。
投資金額ごとの投資できる期間は以下のとおりだ。
毎月の投資額 | 年間投資額 | 投資期間 |
---|---|---|
3万円 | 36万円 | 50年 |
5万円 | 60万円 | 30年 |
7.5万円 | 90万円 | 20年 |
10万円 | 120万円 | 15年 |
15万円 | 180万円 | 10年 |
20万円 | 240万円 | 7.5年 |
30万円 | 360万円 | 5年 |
年間360万円を投資すると、5年で1,800万円の枠を使い切ることになる。投資資金が潤沢にある人ならそれも可能だが、一般の人が投資する金額としては現実的ではないだろう。
とはえ、年間36万円程度の投資では50年もかかる。まだ20代など若い人なら少ない金額でも長い期間をかけて使い切ることは可能だが、年齢を重ねている人はある程度の金額を投資しなければ1,800万円の枠を使い切ることはできないだろう。
ペースは10年~20年が適切
安定的に資産を増やすという観点や投資額の面においても、10年~20年の期間が適切なペースといえるだろう。
積立投資は投資する期間が長いほど平均購入単価が安定し、価格変動による影響を受けにくくなるというドルコスト平均法の恩恵を受けることができる。
10年以上になると元本割れの可能性が低くなる傾向があり、20年もすればやり方によっては元本割れ自体がなくなるというデータもある。
年間投資額は10年だと180万円、20年だと90万円になるが、毎月決まった金額をコツコツ積み立てながらボーナス時に上乗せをするなどすれば、非現実的な数字ということもないだろう。