今月29日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループHの第5節、浙江FC(中国)とブリーラム・ユナイテッド(タイ)の試合後に大乱闘が発生した。この乱闘騒ぎにより、主審は計8枚のイエローカードを提示しなければならなかった。
3-2でホームの浙江が勝利した直後、なぜか冷静さを失ったブリーラムのFWラミル・シェイダエフが相手チームの選手らに突っ込むと、浙江の選手の首を絞めるなど暴行。浙江の選手らもシェイダエフを取り囲んで、背後から殴る蹴るの反撃を繰り返し、そこから両チーム入り乱れての大乱闘に発展した。
タイメディアによると、乱闘のきっかけを作ったのは浙江側だとしている。浙江の控え選手がブリーラム側を挑発し、これに反発したブリーラムのMFレオン・ジェームスが報復を始めたため、最初の標的となった。
乱闘は約3分間続き、警察隊が間に入ってなんとか収まったが、この間もホームサポーターからはブリーラムの選手スタッフに対し「Losers!(負け犬!)」コールの大合唱が送られていた。タイ紙は、この大乱闘によりアジアサッカー連盟(AFC)から高額罰金を含む厳罰が下されると予想。中国クラブは今後、中立地で試合をしなければならなくなる可能性があるとも指摘している。
今回のACLでは、中国や韓国クラブによるラフプレーが問題視されているが、東南アジアでは国際舞台で乱闘騒ぎを繰り返すタイサッカー界に対する批判の声が高まっている。タイサッカーが国際大会で大乱闘を演じるのは、これが今年2回目だ。
今年5月には、東南アジア競技大会(SEA Games)の決勝でU-22タイ代表がU-22インドネシア代表と2度にわたる乱闘を演じ、両チーム合わせてイエロー13枚、レッド7枚が飛び交い、各国のサッカーファンからひんしゅくを買った。
今回のACLでの乱闘騒ぎについて、東南アジアサッカーのファンページでは「これぞムエタイサッカー」「これで分かっただろう。SEA Games決勝で本当に悪いのがどちらだったのかが」「選手もサポータもタイは暴力が好きだ」「タイは負けると、いつも暴力事件を起こす」など、東南アジア各国のファンから批判のコメントが殺到した。