マクラーレンが自社の創立60周年を記念する特別仕様車「3-7-59」を発表。750ps/800Nmを発生する4リットルV8ツインターボエンジンを搭載した通常モデルの「750S」をベースに、1974年のインディ500を制したM16Dのカーナンバー「3」、1984年のF1モナコGPで優勝したマクラーレンMP4/2のカーナンバー「7」、そして1995年のル・マン24時間レースで勝利を飾ったマクラーレンF1 GTRのカーナンバー「59」という、世界3大レースの制覇=トリプルクラウンを果たしたマクラーレン車をオマージュしたカラーリングを採用。生産台数は6台限定で、すでに完売済
英国マクラーレン・オートモーティブは2023年11月11日(現地時間)、自社の創立60周年を記念する特別仕様車の「3-7-59」を、アメリカのソノマ・レースウェイで開催されたラグジュアリーモータースポーツの祭典「ヴェロシティ・インターナショナル」で発表した。
750ps/800Nmを発生するM840T型3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンを搭載した新世代スーパースポーツの「750S」をベースに、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)がペイントワークとカスタマイズを手がけた「3-7-59」は、そのネーミングが車両のキャラクターを物語る。「3」は1974年のインディ500を制したジョニー・ラザフォード選手のM16Dのカーナンバー、「7」は1984年のF1モナコGPで優勝したアラン・プロスト選手のマクラーレンMP4/2のカーナンバー、そして「59」は1995年のル・マン24時間レースで勝利を飾ったヤニック・ダルマス/関谷正徳/JJ・レート選手組のマクラーレンF1 GTRのカーナンバーに由来。世界3大レースの制覇、すなわちトリプルクラウンを達成したマクラーレン車の栄光を、現行の旗艦スポーツカーである750Sの内外装をベースに表現したわけだ。
エクステリアは、3つのトリプルクラウンレースとマクラーレンのチャンピオンカーに因んだ20種類以上のペイントカラーを効果的に、かつ強いインパクトを持たせて融合。合わせて、3つのレースとそれを制したマシンの詳細をイラスト化し、鮮やかなコラージュで組み合わせる。具体的には、フロント部にマクラーレンMP4/2の白と赤のカラーリングをあしらい、レースナンバーの「7」をボンネットに設置。また、サイド部はマクラーレンF1 GTRをオマージュしたグレーのカラースキームと「59」のレースナンバー、そしてGT1クラスへの参戦を表すグリーンのドットを入れる。そしてリア部は、M16Dのボディカラーであるオレンジをメインに配し、合わせてレースマシンと同イメージのブルーカラーの「3」を刻印した。細部にも徹底してこだわり、M16DのオレンジのペイントがF1 GTRのグレーのスキームへと変化するチェッカーフラッグの渦巻きのようなエフェクトや、ボディ全体に散りばめたベクタープロセスを使用して作成したブルーのスプラッシュ、ブルー/レッド/ル・マン・ゴールドの3色で交互に彩ったブレーキキャリパー、サテンブラックで塗装した超軽量ボルテックス・アロイホイール、特定の光と角度で反射した「3-7-59」モチーフがヘッドライトマウント内のLEDランニングライトを収容する専用ブラケットなど、特別なアイテムを随所に採用する。マクラーレンが独自に開発した金メッキ技術を使用し、緑青仕上げのシルバーペイントで彩ったトリプルクラウンロゴを両側ドアの下部に配したことも、「3-7-59」の見逃せないポイントだ。ちなみに、ペイントには1200時間以上を費やしたという。
トリプルクラウンのロゴはインテリアにも配され、カーボンファイバー骨格レーシングシートのヘッドレストにはマクラーレンオレンジのステッチで、センターアームレストにはデボス加工でトリプルクラウンロゴを刻印。また、グラファイト・アルカンターラのシート表皮にはトリプルクラウンのアートワークを施し、合わせてホワイトのコントラストステッチを配備する。さらに、シートと同じアートワークで描いたカーボンファイバー製ドアトリムや、ステアリングホイールのリムに配した12時のマーク、マクラーレンMP4/2のノーズを飾った赤と白の“シャタード”ペイントに着想を得たハンドペイントのカーボンファイバー製シフトパドルなどを特別装備。加えて、エクステリアのペイントディテールの一部と同じレーザーエッチングのアートワークを施し、同時にセラミックコーティングやホワイト、ブラック、オレンジのトリプルクラウンスターで仕上げたペダルやカーボンファイバー製ドアシルを装着した。ドアシルの前部に配した“McLaren 3759 SURREY.ENGLAND”と刻むデディケーションプラークも、スペシャル感を強調する逸品である。
もう1点、MSOの技術者はインタラクティブな新機能を内外装に採用する。マクラーレンがトリプルクラウンイベントで勝利を収めた年やマクラーレンのロゴの進化などを“イースターエッグ”のように隠した、3つのQRコードを配したのだ。それぞれを読み取ると、トリプルクラウンを果たした車両の詳細などを説明するWebページへとリンクする仕組みである。
なお、「3-7-59」は6台限定で生産する予定だが、すでに完売済だという。
提供元・CAR and DRIVER
【関連記事】
・「新世代日産」e-POWER搭載の代表2モデル。新型ノートとキックス、トータルではどうなのか
・最近よく見かける新型メルセデスGクラス、その本命G350dの気になるパワフルフィール
・コンパクトSUV特集:全長3995mm/小さくて安い。最近、良く見かけるトヨタ・ライズに乗ってみた
・2020年の国内新車販売で10万台以上を達成した7モデルとは何か
・Jeepグランドチェロキー初の3列シート仕様が米国デビュ