ヴィッセル神戸のゴール裏 写真:Getty Images

 ヴィッセル神戸は、今月25日にノエビアスタジアム神戸で開催された名古屋グランパス戦で2-1と勝利。クラブ史上初となるJ1制覇を成し遂げた裏で、「神戸讃歌」を巡る議論が白熱。SNSでキックオフ直前の動画を投稿した神戸サポーターが謝罪している。

 神戸サポーターはホームゲームにおいて、1995年の阪神淡路大震災での被災に込められた思いを反映した神戸讃歌を試合前に歌う。この神戸讃歌に対しては、多くのアウェイサポーターが敬意を表しているため、神戸讃歌が歌い終わるまで自クラブのチャントを被せないケースが多かった。

 今回の名古屋戦でも、アウェイサポーターは神戸讃歌が響き渡っている間にチャントを歌わず。この様子に感動したとある神戸サポーターは、試合後に「今日の神戸讃歌 名古屋サポのマナー良くてめっちゃ響いてたよね」とコメントを添えた上で、80秒程度の動画によりスタジアムの様子をアップしていた。

 しかし「名古屋サポのマナー良くて」という部分に、多くのSNSユーザーが反応。「マナーでは無く気遣い」「神戸讃歌中相手サポが歌わないのは行儀がいいというのは分かる。けどそれをマナーとして扱うのは違うと思う」といった指摘が相次いだほか、「自意識過剰」などと批判も噴出。

 一方で「神戸讃歌にリスペクトを示せる名古屋サポさんは素敵ですよね」「とても素晴らしいアンセムですね」「神戸の優勝おめでとうございます!」と好意的なメッセージも多く寄せられていた。

 それでも、当該サポーターは26日夜に以下のような謝罪文を掲載。「名古屋サポのマナー良くて」という部分に言及するとともに、神戸讃歌に対する特別な思いも綴っている。

 「マナーの件でお騒がせして申し訳ございません。軽率な発言をしてしまった事をお詫びします。自分にとっては幼い頃から教わった訳でもなく自然と謳えるようになっていた神戸讃歌です。また『一致団結』という言葉をこの身に教えてくれたのもヴィッセル神戸でした」

 「昨日の試合では本当に気持ちが込もっているように感じました。動画を回しながら失礼だったかも知れませんが、このひと時を残したい。残し続けたい気持ちで一杯でした。これからも大好きなヴィッセル神戸の動画を作成して行こうと思います」