森保一監督 写真:Getty Images

 サッカー日本代表「森保ジャパン」は、今月に行われたFIFAワールドカップ北中米大会(北中米W杯)アジア2次予選でいずれも5-0と大勝。森保一監督の起用法やマネジメントが評価される中、代表OBで元浦和レッズ所属選手の福田正博氏が、同監督が成功を収めている要因を分析した。

 サンフレッチェ広島で3度のJ1優勝を成し遂げた森保監督は、2018年のロシアW杯後から日本代表を指揮。カタールW杯アジア最終予選では、オマーンやサウジアラビア相手に敗れたことにより、一時解任報道も飛び交っていた。

 また昨年6月の国際親善試合前には、“戦術三笘”発言で話題に。MF三笘薫(ブライトン)のドリブル突破に依存といった主旨のコメントを残すと、周囲から「攻撃面での約束事が少ない」などと指摘を受けていた。

 周囲からの批判に動じなかった森保ジャパンは、カタールW杯でドイツ、スペインと強豪国を撃破。今年6月以降は国際親善試合で6連勝を飾っており、今年9月には完全アウェイの雰囲気の中、ドイツ相手に4-1と勝利している。

 日本代表が好調をキープする中、福田氏は森保監督のメンタリティーに言及。日本代表OB播戸竜二氏のYouTubeチャンネル「播戸竜二のおばんざい屋」出演時に、以下のようなコメントを残している。

 「戦う相手は3つあると言われて、それは相手、自分、環境。その中で最終的に戦えるのは相手じゃなくて自分の気持ちだけだということを、森保監督は理解している」

 「メディアにあれだけ叩かれたり、カタールW杯前にあれだけ言われたら、そりゃメディア嫌いになるよね。彼はメディアと戦わない。戦うところを理解している。メディアとやり合っても疲れるだけ。サポーターに何か言われて、正論で返しても疲れるだけ。そんなものにいくら向き合って何かやっても、エネルギーを消耗するだけだと分かっている」

 「俺はいまだに理解できない。戦っても無理なものと一生懸命戦おうとしているけど、選手時代はそういうものと戦っていた」

 今までメディア批判に反論する機会がほぼ無かった森保監督。ピッチ内のことに集中するという姿勢が、間違いなく日本代表の好結果に繋がっている。