上田綺世 写真:Getty Images

 日本代表FW上田綺世は、今月16日のFIFAワールドカップ北中米大会(北中米W杯)アジア2次予選のミャンマー戦でハットトリックを達成したほか、21日のシリア戦でも2ゴール。代表戦で結果を残す一方、所属先のフェイエノールトで控え要員という現状に海外メディアが注目している。

 上田は今年8月にサークル・ブルッヘからフェイエノールトへのステップアップ移籍を果たしたが、今季はここまでオランダ1部リーグ戦でスタメン出場ゼロ。FWサンティアゴ・ヒメネスがすでにリーグ戦で2桁ゴールを挙げるなど、絶対的ストライカーとして君臨しているだけに、レギュラー奪取への壁は高い。

 一方、森保ジャパンではFW浅野拓磨(VfLボーフム)やFW前田大然、FW古橋亨梧(いずれもセルティック)とポジション争いを繰り広げる中、徐々にスタメンでの出場機会を確保。今年9月の国際親善試合ドイツ戦で勝ち越しゴールを奪ったほか、今月開催のW杯予選では2試合で5ゴールと好調ぶりをアピールしている。

 それだけに米メディア『ESPN』は、「上田は代表では英雄だが、クラブではバックアッパーという奇妙な現状に直面」とリポート。PSVアイントホーフェンなどオランダ1部リーグの上位クラブで、ストライカーによる高いレベルでのポジション争いが繰り広げられていた前例を紹介した上で、「ストライカーのエゴを捨てなければならない分かれ道だ。上田には多くの忍耐が要求される」と指摘した。

 なお上田は今月10日に公開されたクラブ公式チャンネルのインタビューで、ライバルであるヒメネスについて以下のようなコメントを残していた。

 「ヒメネスは僕にないものをたくさん持ってると思いますし、プレーを見ていてもポジショニングの駆け引きもそうですし、やっぱりすごい優れている選手だなと思います」

 「僕は彼がなぜこんなに点を取れるのかなと分析しながら見ています。その理由が全部は分からないですけど、彼が常にどういうことを考えてプレーしてるのかすごい注意して見ていますし、学べることはたくさんあると思っています」