発言の中には特定の宗教名なども明示されておらず、あくまで個人の功績を称えるものであり、その点では良く考えられた文章になっていると思います。
ただ一方で、じゃあまったく問題なかったのかといえば、そうとも断言できません。
多くの人が引っかかっているのは政教分離原則の「いかなる宗教団体も国から特権を受けてはならない」という部分でしょう。
宗教名・団体名が明示されていないとはいえ、故人が特定宗教のアイコンであるのは自明なことです。
そこに対して「内閣総理大臣」の名義で、普段はしない・他団体にはしない特別なコメントを発することは、特定宗教に「お墨付き」「政治的な威厳」を与えることになるのではないか。
発言の内容は抑制的だったものの、連立与党の関係性なども踏まれば「これこそまさに、国が特権を与えている証拠じゃないか!」と感じる人がいても、おかしくないように思えます。
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繰り返しますが、私自身はこの発言が政教分離原則に反するものとは思いません。
ただ、このタイミングでわざわざ総理が発信したこと自体や、その名義についてはやや疑問が残ります。
少なくとも発信者の名義は「衆議院議員 岸田文雄」「自民党総裁 岸田文雄」とするべきだったのではないでしょうか(実際、靖国神社への玉串料は自民党総裁名義で毎年払われています)。
また現在は、解散命令請求が出た旧統一協会問題が引き続き大きな課題となっており、そうした中での特定宗教に対する発言は良い印象を持たれるものではなかったのだと思います。
何十人もの人がチェックしたであろう総理発言がこれほど炎上する難しさ。他山の石としていきます。
それでは、また明日。

岸田首相 uschools/iStock
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2023年11月18日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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