次に、共産党さんにも一言申し上げたい。毎回、赤嶺先生の信念に満ちた発言には敬意を表したいが、共産党が、我が党を含む4党を「悪政4党連合」と呼び「改憲と戦争国家づくりを煽っている」と批判されているのは残念である。不毛なレッテル貼りは、冷静で真摯な議論の妨げにしかならない。
私は、この場で何度も、我が党の考える緊急事態条項は、権力行使を容易にする条項ではなく、有事においても権力を適切に統制するための条項であるということ述べてきたし、そうした考えに基づいた条文案になっている。私たちの緊急事態条項が成立してもナチスは出てこない。どうか、緊急事態条項=戦争国家づくりとのレッテル貼りはやめていただければ幸いである。
野党第一党である立憲民主党さんにもお願いがある。憲法改正絶対反対ではなく、前向きに議論に参加していただきたい。党内に様々なご意見があることは承知しているが、有事における権力行使の適切な統治のあり方については、イデオロギーを超えて、一緒に考えてもらえないだろうか。特に、任期満了時に選挙困難な場合、一定期間は参議院の緊急集会で対応できると思うが、それはあくまで一時的・暫定的であるべきだし、この点については認識を共有できると思う。
また、議員がお手盛りで任期を延ばす懸念についてはもっともであり、だからこそ私たちも司法の関与を提案している。どのような司法の関与のあり方が適切か、ぜひ、立憲民主党さんの建設的意見も入れて成案を作っていきたい。
最後に一言申し上げたい。東京大学の境家史郎先生は、「憲法改正という争点を『軍国主義か民主主義か』というイデオロギー的問題として捉える枠組みから日本人が解放されない限り、この国の『戦後』が終わることはないだろう」と著書「戦後日本政治史」で述べている。
戦後、護憲派野党は過半数の獲得による政権交代よりも、3分の1の議席獲得による改憲阻止を優先してきたために、憲法改正をめぐって野党が分断され、逆説的に自民党の一党優位体制を支え続けている。この境家先生の「ネオ55年体制」論に私も同感である。立憲民主党には、野党第一党として、ぜひ「戦後の憲法問題の呪縛」を解いてほしい。
憲法改正をやるやると言ってやらない与党自民党と、一字一句憲法を変えてはならないとこだわる野党第一党との間の奇妙な共闘関係が続く限り、憲法改正も政権交代も実現しない。自民党、立憲民主党の双方に前向きな憲法改正論議を求めるとともに、私たち国民民主党も幅広い合意形成に貢献し、「ネオ55年体制」を打破していく決意を申し上げて発言を終える。
編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2023年11月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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