しかし、どの国も自分が弱いとは見せられないのであくまでも強気。ちなみにバイデン氏が習氏のことを「独裁者」と言ったのはそれが事実だからでしょう。ニュースでは驚きをもって報じていましたが、権威主義の国家において当たり前のことで「何を今更」でしょう。中国が台湾の緊張はないと発言した点が注目です。1月の台湾の総統選では野党が統一候補にします。そのため、下馬評がひっくり返り、中国寄りの野党から総統が生まれる公算が高まっています。となれば中国は台湾を実力行使せず、抱き込む手段を取れるでしょう。

バイデン大統領と習近平国家主席 中国共産党新聞より

日中関係は改善するとみています。公明党の山口代表が来週から訪中しますし、高官レベルでの対話も再開しています。王毅外相も日中関係改善を提案しています。習氏は処理水問題で対日強硬政策を取ったものの中国国内が白けており、尖閣の時のような盛り上がりもなく、振り上げたこぶしが空回りの状態です。よって外交交渉を踏まえて来年のしかるべき時期に方針緩和する公算は大いにあると思います。ただ、日中間も表面の利害と本質的関係が別腹という難しさの中、日本も言うべきは言うという姿勢で臨むべきでしょう。

岸田首相と習近平国家主席 中国共産党新聞より

羽生結弦さんの離婚が物語るもの

羽生結弦さんの結婚ではありません。離婚です。8月4日に結婚して11月17日に離婚を決意したとSNSで発表しました。わずか3カ月。何が起きたか、それはご夫人に対するあらゆる口撃と精神的ダメージだったようです。そしてご夫人は外に出ることもできない中、必死に耐えてきましたが、ご夫婦にとってそれが健全な夫婦関係かと話し合ったのでしょう。あまりに厳しすぎる結末だと思います。羽生氏はスケーターとしての素質のみならず、マンガに描けるほどのバランスよい美貌とスタイルであらゆる女性ファンがフィギュアの羽生ではなく、男としての羽生に惚れてきたのです。

私どもがカナダで売っている羽生さんの関連書籍も結婚発表後、中国人女性の引き合いがなくなり、売れ行きはばたっと止まりました。この比較が正しいか分かりませんが、結婚した衝撃は眞子さまと小室圭さんのご結婚発表ぐらいでした。羽生さんのお相手は一般人、細かい素性は存じ上げませんが、外部からの口撃は熾烈なものだったと推測します。小室家は海外居住で警備もしっかりしており、比較的安全安心を確保できましたが、日本でそれを維持するのはとてつもなく困難です。それに耐えて行けるか、といえば愛だけでは乗り越えられない社会の複雑さがあります。

かつて芸能界は異次元で一般人が立ち行ってはいけない世界とされました。芸能人の結婚離婚は売名手段と言わんばかりでした。その芸能界もすっかり変わり、一般人とのご結婚も増えました。羽生さんは芸能人ではなく、スケーターなのだから普通の恋が出来ると思ったのでしょう。しかし有名人は芸能人と同様、常に見られている状態になり、叶わない恋が生まれたのもこれまた事実。ロミオとジュリエットのようなはかなさを感じます。人の幸せは平等ではないというのを改めて感じたニュースでした。

後記 先週から今週にかけてダラスにいた際、まともな食には一切ありつく時間がなかったのですが、帰りの日にChick-Fil-A(チックフィレイ)というチキンサンドウィッチチェーンとしてアメリカで2番目に大きく育った店に行けたのはありがたかったです。うまいし、飲み物はボトムレス、ポテトはワッフル型。価格はコンボで10ドル以下。経営者が南部バプテスト連盟の信者なので日曜日は休みというユニークさもあり、北米でも南部中心に展開していてなかなか食べられません。創業は1946年、隠れた名店のチェーンです。ビジネスモデルもなかなかユニーク。日本では展開しないだろうなぁ。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年11月18日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?