ドイツの代表的週刊紙ツァイト(オンライン版)は週末に入ると「グッドニュース」だけを掲載して、読者に配信する。10を超えるグッドニュース集はもちろんドイツ人読者を対象としたものだから、他国の読者にとってグッドニュースとは言えないケースもあるが、それは仕方がないだろう。いずれにしても、多くの読者には週末には明るい、希望に満ちたニュースが必要、といったツァイト編集部の配慮が働いているのだ。

暗雲が漂う教会の塔(2023年11月14日、バチカンニュース、写真ANSA通信)
それゆえに、というわけではないが、週末前にこの記事を書き終えるべきだと考えた次第だ。ドイツはローマ・カトリック教会とプロテスタント教会の信者数はほぼ半々だ。その両教会に対する国民の意識調査がこのほど公表されたが、両教会関係者にとっては予想されたことだが、やはり衝撃的な結果だ。バッドニュースだ。
大規模な教会会員調査(KMU)の結果が14日、公表された。1972年以来、10年ごとに教会員の意識調査が実施されてきたが、この度はカトリック教会も初めて参加した。テーマは国民の宗教的なむすびつきを調査するものだ。その結果、ドイツではカトリック教会とプロテスタント教会に対する教会員の信頼が低下し、多くの教会員が教会から離れることを考えているという。
具体的には、回答者5282人のうち、10人中ほぼ8人にとって、「宗教はまったく意味がない」(38%)、または「ほとんど意味がない」(40%)というのだ。教会員の中でも、「自分は信者であり、教会に近い」と考えているのはわずか4%(カトリック教徒)と6%(プロテスタント信者)に過ぎない。ただ、少なくとも36(33)%は、「たとえ多くの点で教会に対して批判的であっても、私は教会とのつながりを感じている」と答えている。
KMUはドイツ国民の56%を「世俗的」、25%を「宗教的に遠い」、13%を「教会信仰を有する」、6%を「オルタナティブ」に分類している。全回答者の9%がカトリック教会を依然として信頼していると答えたのに対し、プロテスタント教会では24%だった。カトリック教会への信頼はイスラム教よりもわずかに高いだけで、調査ではカトリック教会員の43%、プロテスタント教会員の37%が「離脱傾向にある」と分類されている。