かつて鹿島アントラーズや大宮アルディージャを率いていた石井正忠氏は、タイ1部ブリーラム・ユナイテッド監督を解任されたほか、タイ代表のテクニカルディレクター(TD)も退任。現在フリーの身である中、タイでの監督業続行を望んでいる模様。J3降格がほぼ確実な大宮への復帰はないようだ。
石井氏は2021年12月からブリーラムを率いると、2022/23シーズンまで2季連続となるタイ国内3冠を達成。元横浜F・マリノス所属選手のDFティーラトン・ブンマタンらを擁する中、タイ国内で実績を積み重ねていた。
2023/24シーズンもブリーラムで指揮を執るとみられていた石井氏だが、先月24日に突如タイ代表のTDに就任。タイサッカー協会(FAT)の一部幹部がアレシャンドレ・ペルキング監督解任にむけて布石を打ったという見方が広まっていた。しかし、同国代表が今年9月の国際親善試合で結果を残したことにより、ペルキング監督は続投。石井氏がTD退任により代表チームを去ると、ブリーラム指揮官も解任されている。
石井氏が去ったタイ代表だが、10月に入って暗転。同月の国際親善試合でジョージア相手に0-8と大敗を喫すると、今月16日に行われたFIFAワールドカップ北中米大会(北中米W杯)アジア2次予選の中国戦で1-2と逆転負け。中国の他に韓国、シンガポールと同組であるだけに、2次予選敗退の可能性を危惧する声も上がっている。
それだけに、ネット上ではペルキング監督に対する批判が噴出。石井氏の監督就任を求めるファン・サポーターもいるが、こうしたメッセージがインスタグラム投稿を通じて石井氏のもとに寄せられると、本人は「いつでも準備できていますよ」と返答。『サイアムスポーツ』をはじめタイ国内の複数メディアが同氏のコメントを大々的に報じるなど、監督交代論が熱を帯びているという。
一方、石井氏の古巣である大宮は、J3降格圏の21位で今季のJ2リーグを終了。J3リーグではJ2クラブライセンスが交付されなかったFC大阪が5位につけているが、18日に行われたテゲバジャーロ宮崎戦で引き分け。2位の鹿児島ユナイテッドFCが19日開催のFC今治戦で勝利すれば、両クラブの勝ち点差が「8」まで広がり、残り2試合にしてFC大阪がJ2昇格圏の2位に食い込む可能性が消滅する。
大宮は今月9日に、原崎政人監督が今シーズンをもって退任することを公式発表。後任が未定である中、石井氏を再招へいする可能性は低いとみられる。