ウキの浮力選び
ウキの浮力選びについて私は、風や潮の強弱に合わせて自重が重いか?軽いか?で使い分けている。例えばナギの日や潮の動きが緩い時は自重が軽い5Bを使い、風が吹く日や潮が動く時は自重が重い3Bのウキを使う。
わずかな差のように思えるが、実際には大きく異なる。風や潮の強弱によって遊動時(イト抜け時)のイト抜けの角度が変わるため、まきエサを打つ範囲も変わる。まきエサの横幅が、自重が軽いウキほど広くなり、重いウキほど狭くなる。
なじみと同調時間
重い棒ウキを使った半遊動仕掛けに使用するガン玉は、ウキの浮力サイズにかかわらず、G1~G5をメインに2段打ちして使う。
なぜか?というと、重いガン玉よりも軽いガン玉のほうが、仕掛けが潮になじみやすくつけエサとまきエサの同調時間も長いからだ。「5Bのウキに軽いガン玉だけだと、余浮力があり過ぎてチヌの食いが悪いのでは?」と思う人も多いと思うが、決してそんなことはない。軽いガン玉を打った仕掛けは、着水して遊動が完了するまでの間は、全遊動仕掛けと同じようにつけエサが上層から底層までゆっくりと沈下しながらまきエサと同調していく。
仕掛けの欠点を改善
私は、棒ウキ仕掛けの時に絡み防止用パイプ(100mm)を挟む。キャスト時にこのパイプが投げ釣りのテンビン仕掛けのようにウキとミチイトを分離して飛行する。棒ウキ仕掛けの最大の欠点は、イト絡みの多さとハリスが短くなることだが、100mmのパイプを挟むことでイト絡みを抑えつつハリスを長く(約4.5m)取ることができる。
海底につけエサは固定状態
私は、半遊動仕掛けの時はウキ下を水深+這わせ幅1~2mに設定している(別図2参照)。全遊動仕掛けと同じように、仕掛けがゆっくり遊動を完了すると最終的にはつけエサが底を這う状態になる。仮に上潮の滑りにウキが捕まったとしても、ウキ下を余分に取った分だけつけエサを海底に固定することができるため、まきエサとの同調時間が長くなる。結果、チヌがつけエサに気づきやすいようだ。
イト絡みを抑え遠投
重い棒ウキ仕掛けは、サイドスローで投入するとイト絡みを抑えながら遠投できる。キャスト時にパイプとウキの間がⅤ字状になって飛行するので、仕掛け絡みを回避することができる。
チヌ釣りにおいて全遊動仕掛け全盛の昨今、新しい釣り方を模索している人も多いと思う。今回紹介した棒ウキを使った新しい半遊動仕掛けが、みなさんにとって何かのヒントになれば幸いだ。
<週刊つりニュース西部版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース西部版』2023年11月17日号に掲載された記事を再編集したものになります。