アドベンチャーというカテゴリーのバイクは、路面状況に左右されず長距離走ることを念頭に開発された車両だ。そのため、大容量の燃料タンク、高速走行で疲労を軽減するのに効果的なカウル、ダートを走行するための長いサスペンションストロークと高い最低地上高といった装備が特徴だ。
その大柄な見た目から一見乗り手にとって手強い車両のように感じるが、車重と高いシート高を除けば、非常に乗りやすいマシンでもある。
空冷から水冷へ進化!
BMW R1200GS
2004年に登場し、2019年のモデルチェンジまで15年間も販売されたアドベンチャーモデル。一貫して変わらなかったのは、水平対向2気筒のエンジンレイアウトと1,169ccの排気量、フロントにテレレバー、リヤにパラレバーというサスペンション構造、フロント19インチ/リア17インチのホイールサイズなどだった。2013年のフルモデルチェンジでエンジンが空冷から水冷に変更された(インプレッションは2013年モデル)。
ダートはもちろんツアラーとしても超優秀!
HONDA CRF1000L アフリカツイン
「CRF1000L アフリカツイン」は、2016年に発売された水冷4ストローク・直列2気筒の998ccエンジンを搭載するアドベンチャーモデル。1988年に登場し、1990年代のアドベンチャーシーンを席巻したXRV750 アフリカツインの後継機種に当たるが、エンジンはV型2気筒750ccから先述のように直列2気筒998ccへと大幅に改変、トランスミッションもDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用するモデルもラインナップされるなど、同じ”アフリカツイン”を名乗ってはいるが、まったく別物の次世代アドベンチャーモデルに仕上がっている。
「上手くなった」と錯覚するビッグオフ
YAMAHA TENERE700
2019年の新型モデルとして、2018年11月のEICMA2018(イタリア・ミラノ)で発表された。「テネレ」とは、サハラ砂漠の中南部を指す「テネレ砂漠」に由来する言葉で、現地トゥアレグ族の言葉で「何もない場所」を意味する。エンジンは、MT-07やXSR700に用いられていた並列2気筒ユニットをベースに、アドベンチャーモデル向けのセッティングが行われた。ホイールサイズは前21インチ、後18インチ。タイヤはピレリ製のスコーピオンラリーSTRがセットされた。