【最新モデル試乗】SUBARU期待のニューカマー、レヴォーグ・レイバックは走り/快適性/ユーティリティ、そしてタフさの新基準。魅力的だ!
(画像=SUBARUレヴォーグ・レイバック・リミテッドEX/価格:8CVT 399万3000円。レイバックはモノグレード構成。1.8リッターボクサーターボは177ps/300Nm発生。レギュラーガソリン仕様、『CAR and DRIVER』より引用)

ありそうでなかった、使いやすいサイズのワゴンSUV誕生

SUVを得意とするSUBARU(スバル)のラインアップに新しい仲間が加わった。レヴォーグ・レイバック(※以下レイバック、ベース車をレヴォーグと表記)である。車名のとおりレヴォーグの派生モデルで、都会派SUVのキャラクターを前面に打ち出している。

レイバックはリミテッドEXのモノグレード構成。名称は、「くつろいだ」や「ゆったりした」という意味の「LAID BACK」に由来し、クルマにもそのコンセプトが反映されている。ボディサイズは全長×全幅×全高4770×1820×1570mm。全高はレヴォーグ比で70mm高く、全長は15mm増、全幅も25mmワイドだ。とはいえ日本の道路環境でも持て余さない範囲。サイズ面で、「これくらいのクルマがほしい」と考えるユーザーは少なくないだろう。

【最新モデル試乗】SUBARU期待のニューカマー、レヴォーグ・レイバックは走り/快適性/ユーティリティ、そしてタフさの新基準。魅力的だ!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】SUBARU期待のニューカマー、レヴォーグ・レイバックは走り/快適性/ユーティリティ、そしてタフさの新基準。魅力的だ!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

レヴォーグとの主な違いは、外観ではフロント回り。そのほかホイールが専用デザインとなり、ホイールアーチにはクラッディング が配されている。
足回りも異なる。専用チューニングのダンパーとコイルを用いて最低地上高200mmを確保しており、タイヤは18インチ。テストの結果ベストマッチだったというクロストレックと同銘柄のオールシーズンタイヤが標準装着される。

装備類のアップデートも魅力ポイントだ。アイサイトは、ステレオカメラに加えて中央に広角の単眼カメラを備えた最新仕様。認識能力が向上し、二輪車や歩行者の飛び出しにも対応できるようになった。その他、12.3インチの縦長大型ディスプレイを標準装備し、インフォテインメントシステムもグレードアップ。ハーマンカードンサウンドシステムが標準装備される。

エンジンは1.8リッター直噴ターボ(177ps/300Nm)。セッティングにもとくに変更はない。2.4リッター直噴ターボは未設定だ。なお、レイバックの登場と合わせて、レヴォーグやWRX・S4はD型に進化。装備面でアップデートが図られている。

乗りやすさと静かさが印象的。自然とドライビングにリズムが生まれる

レイバックをいちはやくドライブするために向かったのは、新潟県の佐渡島。占有した大佐渡スカイラインというワインディングロードで試した。
非常に運転しやすく乗り心地がよいことと、操作に対する動きのつながりのよさが印象的だった。スポーティさが持ち味のレヴォーグとは見た目だけでなくドライブフィールにも明確なキャラクター差がある。

【最新モデル試乗】SUBARU期待のニューカマー、レヴォーグ・レイバックは走り/快適性/ユーティリティ、そしてタフさの新基準。魅力的だ!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】SUBARU期待のニューカマー、レヴォーグ・レイバックは走り/快適性/ユーティリティ、そしてタフさの新基準。魅力的だ!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

サスペンションはレヴォーグよりもバネレートを低めとするなどツーリング指向に仕上げられている。クロストレックのナックル類を用いてリフトアップしており、サスペンションストロークはとくにリアが大幅に増大した。

こうした設定では重心が上がりロールが増える傾向となる。それを抑えるために足回りを強化するのが定石。過去の似たような成り立ちのスバル車では、乗り心地が硬くなった例が見受けられた。ところがレイバックはまったく違う。

乗り心地は想像していた以上に快適。荒れた路面や凸凹を走っても突き上げが気にならず、揺れの収まりもよい。それでいてワインディングやコーナーでのロールは巧みに抑えられている。クッション感と着座感のよいシートも「乗り心地のよさに貢献している」という。

ハンドリングは操舵力が軽くて扱いやすい。レヴォーグほど俊敏ではないが、切り始めから応答遅れが小さく、スッキリと気持ちのよいフィーリングが味わえた。動きが把握しやすい。まさしく意のままに操れるように味付けされている。アクセルやブレーキを踏み、ステアリングを切ったときのクルマの反応が自然でつながりのよいことにも感心した。

レヴォーグは待望の2ピニオン式の電動パワーステアリングを採用したものの、いまひとつそのよさが発揮できていない印象があった。クロストレックやインプレッサのほうが操舵フィールがいいと感じていたのだが、レイバックはレヴォーグとはだいぶ違う。

【最新モデル試乗】SUBARU期待のニューカマー、レヴォーグ・レイバックは走り/快適性/ユーティリティ、そしてタフさの新基準。魅力的だ!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】SUBARU期待のニューカマー、レヴォーグ・レイバックは走り/快適性/ユーティリティ、そしてタフさの新基準。魅力的だ!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

静粛性も高水準である。レヴォーグ自体も悪くなかったところ、タイヤとの相性や、地上高を高めたことで音源から離れたことなどが効いて、確実に静かになっている。前後席間での会話明瞭度はかなり高い。細かいところでは、ドアミラーカバーがレヴォーグとは異なり、クロストレックと同じものとなっているのだが、こちらのほうが風切り音が小さいというメリットがあるそうだ。

レイバックは、動的質感が高いクルマである。まるで車格が上がったかのような印象を受けた。「変更がない」というパワートレーン系についても、何かしら改善されたように感じられたほどだ。限られたシチュエーションの試乗だったが、レイバックの高い実力が伝わってきた。地上高を高くしたことは、メリットはあってもデメリットはないと感じた。スバルの新たなエースに成長する資格十分である。