私の知る限り、朝日新聞の論壇時評に「Hanada」や「正論」という文字が出たのは初めてだった。朝日新聞になにか変化が起きたのだろうか。それとも日本の論壇ではついに「Hanada」も「正論」も、朝日新聞でさえ無視できない地歩を固めたということなのか。
この保守系両雑誌の論文を「今月の3点」としてあげたのは気鋭のルポライターとされる安田峰俊氏だった。安田氏は中国共産党政権の内外での人権弾圧などについての著作が多く、大宅壮一ノンフィクション賞の最近の受賞者でもある。朝日新聞の左傾度からすれば、明らかに異なる政治スタンスを感じさせるジャーナリストのようだ。
ちなみにその安田氏が「今月の3点」うちの2点としてあげたのは「Hanada」11月号の百田尚樹、有本香「日本保守党が日本を取り戻す」と、「正論」11月号の東野篤子「『プーチン擁護論』の歪みと陥穽」だった。
この朝日新聞の論壇時評の変化は長年、その内容をみてきた私のような人間にとっては奇々怪々にも映る。一体、なにがこんな変化を生んだのか。その答えを知る人がいれば、ぜひとも教示を願いたいところである。
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古森 義久(Komori Yoshihisa) 1963年、慶應義塾大学卒業後、毎日新聞入社。1972年から南ベトナムのサイゴン特派員。1975年、サイゴン支局長。1976年、ワシントン特派員。1987年、毎日新聞を退社し、産経新聞に入社。ロンドン支局長、ワシントン支局長、中国総局長、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員などを歴任。現在、JFSS顧問。産経新聞ワシントン駐在客員特派員。麗澤大学特別教授。著書に『新型コロナウイルスが世界を滅ぼす』『米中激突と日本の針路』ほか多数。
編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2023年11月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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