「CONFECT(コンフェクト)」は、天然素材をアップサイクルしたファブリック、「UpcycleLino(アップサイクルリノ)起毛キャンバスサルベージパーカー」をリリース。同商品は現在、「CONFECT」各店舗にて販売中だ。

この機会に、スタイリッシュかつサステナブルな同商品をチェックしてほしい。

捨てられてきた裁断くずを活用

「UpcycleLino(アップサイクルリノ)」とは、「CONFECT」の母体となるネキスト社が2021年にローンチしたプロジェクト。天然素材のリネンやコットンを愛用する「CONFECT」、レディースブランドの「nest Robe(ネストローブ)」が、これまで捨てざるを得なかった、生地の端切れ(裁断くず)を、再び綿(わた)に戻し、生地、そして服の一部として活用するという取り組みだ。

捨てられるために生まれた天然繊維は一本も無い。また「アパレル業界全体として問題視する衣料ロスの課題解決へ」、そして「疲弊していく国内の繊維産地にある工場への一助となれば」という様々な想いが重なって、賛同する国内産地の工場が一致団結、2023年現在も製品のアップデートを行いながら継続している。

「裁断くず」は生地全体の約3割

洋服はもともと1枚の生地であり、その生地を基に型をとり、裁断して縫い上げて洋服として完成する。

生地は裁断する過程において「洋服」になる部分と残りの「裁断くず」と呼ばれる部分に分かれる。その「裁断くず」は生地全体の約3割に至り、廃棄されている現状がある。

これは、100着作ると、30着分。さらに、1,000着作ると、300着分に相当する。この捨てられていく素材もまた、元々は生地を成していた、選び抜かれた上質なもの。

「SLOW MADE IN JAPAN」を感じるUpcycleLinoのプロセス

様々な形状の裁断くずを、一定サイズの細かなチップにし、さらに細かく綿の状態に。これが「反毛(はんもう)」というプロセスだ。反毛された綿は、短い繊維であるためそれだけでは糸にはできない。強度を補うために、バージンコットンを混ぜ合わせ、堅牢な反毛糸である、アップサイクル糸にする。

原糸となった状態で、さらに強度を出したり、糸自体に表情を加えたりするために「撚糸」という工程を踏む。これは原糸を撚り合わせるというプロセスで、単一から複数本まで何通りもの組み合わせがある。

短繊維が含まれる反毛糸に強度や均整を加えるため、また素材の表情を引き出し、目指している生地の質感にたどり着くため、撚糸にも拘っているとのこと。

反毛糸は、生地の緯(よこ)糸として使用する。反毛糸は、通常の糸よりも不揃いな繊維が混じり合っているため、糸表面の凹凸がある。したがって製織*にあたっても、通常のスピードよりもゆっくりと、機織り機を稼働させている。