緊密なネットワークがくまなく張り巡らされた今日の高度情報化社会においては、時に分刻み、秒刻みの判断と行動が求められる。仕事においても日常生活の上でもあまり遅れをとりたくないものだが、時間については、また別の興味深い見解もあるようだ。時間に遅れがちの人物は、予想に反して実りある人生を送るというのである。

■“遅い人”が充実した生活を送る10のポイント

 時間に正確であることは、現代の社会生活で我々が等しく要求されている社会人としての必要条件だ。単純に遅刻が続けば信用を失い、最終的に組織から排除されることもじゅうぶんにあり得る。

 遅刻の“常習犯”としてレッテルを貼られてしまうのは避けたいところだが、何事においても時間的にギリギリになるまで手を着けないといった“遅い人”も一定数存在する。そして、こうした人は往々にして充実した実りのある人生を送り、社会的に成功するケースも少なくないというのだ。

遅刻魔ほど成功を収める!? “時間にルーズな人”最強説を裏づける10の性質とは?
(画像=画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)

 アメリカの医師、フリードマンとローゼンマンによって定義された性格特性はタイプA、タイプB、タイプCの3つに分けられる。時間にシビアではないノンビリした性格はタイプBに分類されるのだが、タイプBは総じて楽観的でポジティブであり、さらにクリエイティブでストレスを抱え込みにくいといわれている。つまり、タイプBは3つの中で最も健康で充実した人生を送る可能性が高いのだ。
 米・サンディエゴ州立大学のジェフ・コンテ准教授が行なった実験では、1分間が実際にどれくらいの時間に感じられているのか計測されたのだが、タイプAの人々が実際の1分を平均で58秒と感じているのに比べて、タイプBの人は平均77秒に感じていることが報告されている。タイプBの人は時間が長く感じられているからこそ、時間にシビアではないということになる。つまり彼らは、時間に余裕を感じているのだ。そして、オルタナティブ系オンラインジャーナルの「EWAO(現在閉鎖中)」によれば、タイプBの“遅い人”が充実した人生を送る10のポイントがあるという。

  1. “遅い人”は楽観的である
     自己啓発ジャンルの書籍『Never be late again』の著者であるダイアナ・デロンザー氏によれば、“遅い人”は自ずから物事を楽観的かつポジティブに考えているという。逆にいえば、楽観的でポジティブであるからこそ時間にシビアではなくなるともいえる。そして、いつも時間に追われている人に比べればメンタルに余裕があり、ストレスを受け難いのだ。
  2. “遅い人”は情熱的である
     心の乱れや不安な気持ちをメンタルの外に追いやることができた“遅い人”は、より外向的でフレンドリーな存在になることができ、長期的な観点から幸福と成功につながる。
  3. “遅い人”は説得力がある
     あまり褒められたことではないのだが、遅刻の言い訳に慣れている“遅い人”は、言い訳に限らず商談や交渉でも説得力を発揮できるということだ。
  4. “遅い人”は1日が長い
     前出のコンテ准教授の実験からもわかるように“遅い人”は主観的な時間が長い。それだけに1日で多くの行動と検討に取り組むことができる。のんびりしているように見えて、1日に多くのタスクを処理しているのである。
遅刻魔ほど成功を収める!? “時間にルーズな人”最強説を裏づける10の性質とは?
(画像=画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)
  1. “遅い人”は優先順位をつけるスキルに長けている
    “遅い人”は主観的に時間が長いので、数多くの仕事や課題を前にしても余裕を持って優先順位をつけて物事に取り組める。
  2. “遅い人”はリフレッシュの時間を持てる
     同じく“遅い人”は主観的な時間が長いので、少しボンヤリするなどリフレッシュの時間を持てる。
  3. “遅い人”は生活の中で冒険を楽しめる
     時間に余裕があることで、日常生活の中で冒険を楽しめる。長期的目標をセッティングして、それを常に最優先する時間の“省エネ”も重要なことではあるが、余裕がなげれば“気づき”も生まれず、長い人生の上での幸福を見失う可能性もある。
  4. “遅い人”は多額のツケを払うことになる
    “遅い人”のネガティブな側面としては、物事をギリギリまで遅らせることで場合によっては“利子”がつき、支払いのお勘定が高くつくということだ。
  5. “遅い人”はルールを破ったりショートカットする
     これも“遅い人”のネガティブな側面だが、往々にしてルールを破ったりショートカットする傾向がある。しかし、逆に言えば短時間で効率的に大雑把な仕事ができるという面もあるということだ。
  6. “遅い人”は長生きである
     タイプAの人々がストレスと不安で臓器系疾患のリスクが高い一方、時間にシビアではないタイプBの人々はストレスが少なく健康的かつ幸福な長寿を達成できる。

     遅刻しがちな人というのは、実は裏を返せばそれだけ限られた時間を有効に使っていることにもなりそうだ。かといって社会人として致命傷になり得る遅刻はしないようにしたいものだが、あまり時間にナーバスにならずに余裕を持って日々の生活を送ってもよさそうだ。

    参考:「EWAO」、ほか


    文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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