ビッグスクーターのブームは1995年ごろに始まり、2007年頃に終焉を迎えた。低く長く魅せるカスタムが人気となり、メーカーもそれを追従するようにしてさまざまなモデルが誕生した。装備は新しくなるごとに充実し、それとともに価格も上昇していった。ブームに終止符を打つことになった決定打は、2006年に駐車場法が改正され違法駐車の取締が一気に厳しくなったこと。これにより、それまで街中での移動の足としても人気だったビッグスクーターは一気に姿を消した。

ビッグスクーターブームを知るバイク乗りの中には、爆音を轟かせステレオで音楽をガンガンかけていた車両もよく見かけたことから、ビッグスクーターを毛嫌いしているかもしれない。でも、道具としてみたらビッグスクーターは非常に良くできた乗り物だ。大量の荷物を濡らすことなく運ぶことができ、ウインドプロテクションの高いモデルが多い。シートは大きくホールド性、快適性が高いことから、ツーリングにはうってつけなのだ。

シンプルな装備で価格も車重も軽量化! 
HONDA FORZA Si ABS

「フォルツァ Si ABS」は、2013年に発売された水冷4ストローク・単気筒の250ccエンジンを搭載する軽二輪のスクーター。新設計のシンプルかつコンパクトなフレームを採用しながらも、シート下のラゲージスペースは大容量を確保し、ビッグスクーターならではの使い勝手の良さがさらにブラッシュアップされている。ブレーキは前後連動のコンビブレーキシステムが搭載されているが、ABSモデルにはブレーキをかけ過ぎてもタイヤロックを回避できるようにコンバインドABSが採用されている。

ビッグスクーターの完成形! 
YAMAHA MAJESTY

初代マジェスティの登場は1995年。その後のビッグスクーターブームの最中に2代目モデルが2000年に登場し、あらかじめカスタマイズされた「マジェスティC」などもリリースされた。2007年に3代目が、2012年に当記事で紹介する4代目が登場した。2014年モデルで生産終了となり、以降のヤマハ製スクーターはTMAXやNMAXのような「MAXシリーズ」が中心となっている。今回紹介するのは最終型の4代目MAJESTYだ。