阪神甲子園球場 写真:Getty Images

 阪神甲子園球場では、今月6日から第105回全国高等学校野球選手権大会が開催。神奈川県代表・慶應義塾高校の森林貴彦監督による指摘が話題を呼ぶ中、かつて湘南ベルマーレや大分トリニータでプレーしていた馬場賢治氏も、高校野球の慣わしに対する違和感を抱いているようだ。

 日本のアマチュアスポーツの中でも、随一の注目度を誇る高校野球。「坊主頭」「個性よりも集団行動重視」などといった風習が今も色濃く残る中、「髪型自由」の慶應義塾高校野球部は「日本一を目標とし、古い体質の日本の高校野球に新風を吹き込む」という活動目的を掲げているほか、「文武両道」をもとに学業を疎かにしない方針も打ち出している。

 その慶應義塾高校野球部率いる森林監督は「高校野球の嫌いな部分」といった表現を用いながら、大手スポーツメディアを通じて高校野球が持つ“負の遺産”に言及。NHKやABC朝日放送などで全国中継されるなど、メディアへの露出が多いことによる弊害や、ストーリー作りによる過剰な美化を指摘している。

 森林監督の問題提起には馬場氏も反応。同氏は自身のX(旧ツイッター)で「甲子園好きだけど、たまに今のままでいいのかな?って思うこと多々ある」と投稿するなど、複雑な心境を綴っている。

 慶應義塾高校は神奈川県大会で名門の東海大相模高校や横浜高校を下し、5年ぶり19回目となる甲子園出場。11日の第3試合で福井県代表・北陸高校と対戦する。森林監督の意見には、「罰走」「体罰」などが問題視されている高校サッカーに通ずるものがあるかもしれない。