R nineTレーサーの車種プロフィール
R nineTを中心としたヘリテイジシリーズの1つで、ビンテージ・ロードレーサースタイルのモデル。日本では2017年4月に発売された(※)。ロケットカウル(ハーフカウル)に、低くセットされたハンドル、シングルシートなど、懐かしいレーサーをそのまま再現したようなスタイルが最大の特徴。排気量1,169ccの空油冷水平対向2気筒エンジン(ボクサーツイン)などの基本構成は、R nineTと同様。
※日本市場で2017年9月1日以降に出荷された車両には、ETC車載器が標準搭載された。
バイクインプレ
車両の特徴
目を引くポイントは、古風なロケットカウルと長いタンク、コンパクトなシートカウル。
そしてビンテージレーサーを彷彿とさせる遠いハンドルポジション。
これらのパーツ群がバランスよく構成されたレーサースタイルこそがR nineT最大の魅力だろう。
エンジン
空油冷の水平対向エンジンで、排気量は1,169cc、最大出力と最大トルクはそれぞれ110ps、116N・mとなっている。
同年式(2017年モデル)のGSシリーズと同じエンジンで、長年の熟成によってどの回転域でも力強くパワー・トルクがついてくる印象。
サウンドは歯切れがよく、ツインエンジンらしさがよく伝わってくる。
足回り
BMWらしい堅牢かつ安定志向の足回りになっていて、速度を出しても不安がない。
ブレーキは唐突に効くのではなく、ライダーの入力に対して忠実に働くタイプ。
制動性・コントロール性どちらも文句のつけようがない安心感の高い仕上がりになっている。
フロントフォークはビンテージ感を優先した結果なのか、BMW得意のテレレバーではなく、一般的な正立式のテレスコピックとなっている。
走り
ハンドルポジション遠いため乗車姿勢は前傾が強い印象。
Uターンなど小回りが必要なシーンはやや緊張感を伴うが、ステアリングのレスポンスが軽く、車体の傾きに対してよく反応してくれる。
エンジンの搭載位置が、過去のBMW空冷水平対向エンジンモデルと比べると高いためか、かつてほどの驚異的な重心の低さは感じない。
もともと水平対向2気筒エンジンは横幅が広いので、いわゆる「ヤジロベー効果」によって、ライダーに「まったく転ぶ気がしない」と感じさせるほど安定した挙動を生み出していた。
このR nineTレーサーは安定性こそ高いが「まったく転ぶ気がしない」と感じさせるほどではない。
旧来のBMWファンにとって好みがわかれるポイントだろう。
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成した記事となります。