兵庫県相生市に構える私立・相生学院高校は、サッカー部監督を務めていた上船利徳氏を先月16日付で解任したと公式発表。かつて清水エスパルスやカマタマーレ讃岐を率いていたゼムノビッチ・ズドラブコ氏を招へいしているが、上船氏が学校側の不手際を指摘。学校側は公式X(旧ツイッター)を通じて、パワーハラスメント(パワハラ)に言及している。
現在31歳の上船氏は、名門の神村学園高校や東京国際大学を経てドイツ4部クラブでプレーも、膝の大怪我に見舞われて現役引退。2021年2月から相生高校サッカー部の総監督を務めていた。しかし同校は今年10月にホームページを通じて監督交代を発表。エルシオ・ミネリ・デ・アビラ氏が暫定的に指揮していたが、今月6日になってズドラブコ監督体制を発足。ジェフユナイテッド市原・千葉やサンフレッチェ広島、ファジアーノ岡山OBであるイリアン・ストヤノフ氏がコーチとして入閣している。
上船監督解任の背景として、一部メディアは学校関係者の話として、部員に対するパワハラなど不適切指導があったと伝えている。これに対して、AIE国際高校サッカー部の監督に就任した上船氏は反論。今月11日午前にXを通じて「相生学院からの数千万未払いがあって、AIE国際高等学校との提携話になりました。高校サッカー選手権5日前にいきなり【監督交代】連絡は僕もそうですが、選手スタッフの事学校は何も考えてなかったですね。上船が監督だと選手権出場させない。と言ってきたので辞任してエルシオに上船がお願いした」(原文ママ)と学校側に落ち度があったと主張。監督交代の経緯を綴っている。
すると、学校側は11日午後に公式Xアカウントを更新。「サッカー部のことでお騒がせしておりますが、我々は教育機関です」と切り出すと、「一部の生徒に、素晴らしい人物でも行き過ぎた指導をしたとしたら我々は容認できません。まして、複数人、複数回、我々が是正勧告しても直らない者であればなおさら」と、上船前監督に直接言及しなかったものの、パワハラを容認しない姿勢を打ち出している。
なお相生高校サッカー部は2012年に創部。2015年に高円宮杯U-18サッカーリーグ兵庫県東播リーグ3部Aに出場した実績を持っており、現在は淡路島を拠点にトレーニングに励んでいる。