
VENEZUELA, TREN DE ARAGUA.06-11-2023.
中南米は犯罪組織の巣窟だ。一番注目を集めるのは麻薬組織カルテル。カルテルはコロンビアとメキシコを軸に中米3カ国、ベネズエラ、ペルー、エクアドル、ブラジル、ボリビア、チリ、アルゼンチンなど中南米の大半の国に浸透している。カルテルが浸透すれば、それを末端で支える下請け的なギャング組織が各国に存在することになる。
更に、中米3カ国で蔓延る犯罪グループがある。マル・サルバトゥルチャ(MS13)、バリオ18(B18レボルシオナリオウス)、バリオ18(B18スレーニョス)の3つが存在している。組員は若者が主体で身体に入れ墨をしているのが特徴だ。
そして最近メディアで話題になっているのがトゥレン・デ・アラグア(Tren de Aragua)と呼ばれている犯罪組織だ。この犯罪組織はベネズエラの北部に位置するアラグア州にあるトコロン刑務所内で2013年に誕生した。それが一挙に話題になったのは、今年9月20日に1万1000人から成る警察と軍隊がトコロン刑務所を包囲して、この犯罪組織を一掃したことだ(10月4日付「インサイト・クライム」から引用)。
何しろ、彼らが刑務所の支配者で、刑務所の所長や刑務官は彼らの犯罪行為を黙認しているだけであった。
この組織のリーダーエクトル・ルステンフォード・ゲレロ(通称ニーニョ・ゲレロ)を始め幹部は警察と軍人によって一掃される前に刑務所を脱走した。現在ベネズエラ国内では11の自治州で縄張りを張っているという。