しかしイスラエルの軍事行動は、一貫して継続的に国際人道法違反の状態で行われている、とみなさざるをえない。個々の行動の是正を求めている場合ではなく、イスラエルの国際人道法を無視した態度を前提にしたうえで、そうした軍事行動の停止を求めざるを得ない段階に入っている。
それが国連総会決議の意味であり、「一時中断」に支持が集まらず、「停戦」を要請する声が強まる一方である理由だろう。
私自身も、紛争当事者に国際人道法を遵守する意図がない場合には、自衛権行使の合法性を強調して、あとは「人道法忘れないでね」と付け加える態度は、全く不十分だと今は考えている。
日本政府は、アメリカに追随する姿勢を崩していないが、問題の解決を目指した立場とはみなされず、多数の諸国の賛同を得ることは難しいだろう。仮に「一時中断」を主張する場合には、「せめてイスラエル政府はこれくらい・・・」といった前置きをして、「停戦」の主張に妥当性があることを理解している立場を示すような配慮が必要だろう。
いずれにせよ、その場限りの近視眼的な姿勢ではなく、「国際社会の法の支配」を推進する立場から、後世の評価に耐えうる姿勢は何か、という問いも考えてみてほしい。
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提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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