昨年5月開催のプレミアリーグ(イングランド1部)公式戦で、トッテナム・ホットスパー所属の韓国代表FWソン・フンミンに対して人種差別的ジェスチャーを行った観客が、3年間のスタジアム入場禁止処分に。韓国メディアからは「処分を受けて当然」との意見が沸き起こっている。
トッテナム対クリスタル・パレスでは、ソン・フンミンが途中交代した際に、クリスタル・パレスのサポーターをみられる人物が、目尻に指をあてるなど、アジア人の容姿を侮辱。同選手はその場でエキサイトしなかったものの、試合後のインタビューで「差別の標的になるようなことは何もしていない」と語るなど、困惑していた。
英紙『ミラー』によると、当該人物は今後3年間、すべてのサッカースタジアムで入場禁止となったとのこと。罰金処分や社会奉仕活動を命じられたほか、国際Aマッチデー期間にパスポートを返却する必要もあるという。
またプレミアリーグは公式X(旧ツイッター)を通じて「差別を行った人物に対して、3年間のサッカー観戦禁止処分が命じられたことを歓迎する」と声明を発表。「人種差別はサッカー界にも社会のどこにも存在しない」と、改めて差別撲滅への姿勢を打ち出している。
すると韓国メディア『インターフットボール』は「ソン・フンミンに人種差別をすれば、これだけ痛い目に遭うんだ。然るべき処分内容だ」と、現地当局の対応やプレミアリーグの声明内容を歓迎。「ソン・フンミンをはじめ、プレミアリーグでプレーする様々な選手が依然として人種差別被害に遭っている」と、差別問題の現状もあわせて伝えている。
イギリスでの人種差別問題には、日本人選手も巻き込まれている。セルティック所属FW古橋亨梧は今年2月のスコティッシュリーグカップ決勝・レンジャーズ戦で試合中に相手サポーターから侮辱的発言を浴びたほか、2021年8月にはレンジャーズサポーターが同選手に対する人種差別のチャントを歌い、アジア人差別のジェスチャーを披露していた。