野々村芳和チェアマン 写真:Getty Images

 Jリーグでは秋春制移行に関する議論が進行。アルビレックス新潟をはじめ一部クラブが反対の意向を表明する中、秋春制移行の動きに韓国メディアが注目。Jリーグとプレミアリーグ(イングランド1部)など欧州主要リーグの差に触れた上で、Jリーグの今に切り込んでいる。

 韓国のスポーツ専門メディア『ベストイレブン』は「30周年を迎えたJリーグ。今後30年間のプロジェクトの第一歩はグローバル化」と見出しをうち、Jリーグの未来を特集。

 1993年の創設時から現在に至るまで、クラブ数やJ1リーグ公式戦の平均観客数が増加していることに触れたほか、FIFAワールドカップやオリンピック本大会への出場が続いている日本代表チームの成長ぶりも評価している。

 その上で同メディアは「30年前と比較すれば、自画自賛に値するが、今後30年は伸び悩む可能性がある。最近の話題はグローバル化だ。どうすればヨーロッパの主要リーグに匹敵するだけのリーグになるのか模索している」と、Jリーグの課題を指摘。秋春制移行の議論が進んでいる背景を、以下のように分析している。

 「1993年の発足時は、Jリーグの経済規模と波及効果はイングランドプレミアリーグとそこまで差がなかったと。当然、リーグの歴史やスタープレイヤーの存在という点では、当然ながらイングランドの方が先を進んでいるが、データ比較では差がほとんど見られなかった」

 「しかし今は、比較できないほど差が広がっている。ヨーロッパの主要リーグはJリーグよりも約10倍の水準で先を行っている。Jリーグの今後30年の課題は、まさにこの10倍の格差を超えることだ」

 「最近議題に上がっている秋春制移行も、最終的にはサッカービジネスの本家であるヨーロッパに合わせて競争するためのアイデアだ。もちろん移行に当たっては現実的な問題もあるが、克服しなければならない難題と捉えている」

 この秋春制移行の議論では、主に「雪国対策」と「酷暑下での試合開催」の2点に焦点が当てられている。そのうち「雪国対策」では、積雪量の多い地域とそうでない地域のハンデ解消を求める声が沸き起こっている。

 一方で「酷暑下での試合開催」では、日本代表DF吉田麻也がDAZN制作番組『フットボールタイム』に出演した際、「この暑さで試合をするのは、もはや生命の危機を感じる。無理。サッカー面で言うと、パフォーマンスがとか強度がとか言うけど、シンプルに危ない。これは雪とか以前の問題」と、猛暑での公式戦開催に反対している。