さらに取引先とカフェで打ち合わせをする際に、「この店はインボイス対応しているか?ちゃんと領収書は適格請求書か?」とイチイチ考えなければならないのではないか。

インボイスがスムーズに受け入れられるには、一律10%にしてしまうとかAIで自動判定する仕組みがインフラとして整うことだ。せめてスムーズな受け入れ態勢の促進や提案、プロセスの改善があった上で導入があれば違った印象だったかもしれない。

自分は普段から物事は一方向からだけではなく、できるだけ多面的に考えて良い面も悪い面もフェアに考察したいと意識して記事を書いてきた。だがこの制度については、どうひっくり返して見ても悪い点以外に見当たらない。インボイス導入で財務省の税収増は約2500億円という試算があるようなので、強いて言うなら「財務省は得する制度」だろう。

仮に日本経済全体が追うコストや人件費、手間の総額が2500億円を上回らなければ、メリットはあるのかもしれない。しかし、その計算はあまりにも気が進まないのは無理からぬことだろう。

 

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