ntvのモスクワ特派員は1人のタジキスタンの青年と匿名インタビューしていたが、その青年によると、「友人がロシア軍の兵士として戦地に派遣されたが、数日後、戦闘で死んだ」という。十分に訓練されずに戦場に派遣され、そこで戦死する若い兵士が数多くいるという。もちろん、ロシアのメディアは外国労働者出身のロシア兵士の話など報じないから、どれだけの兵士たちが動員され、犠牲となっているかは不明だ。

ロシア軍の侵攻を受け、祖国防衛のためにロシア軍と戦っているウクライナ兵士と比較すれば、インスタントの新兵士の戦闘意欲、能力が劣ることはいうまでもないことだ。

ちなみに、ゼレンスキー大統領は3日、砲兵部隊、ミサイル部隊、工兵部隊などの兵士たちを訪問し、挨拶したが、「あなたがた兵士たちと会うたびに、私は(あなた達から)ウクライナを守る準備ができているだけではなく、この戦争に勝利するという決意を感じている」と喜びをもって語っている。

ウクライナ東部と南部で戦争は続いている。同国第2の都市ハリキウが3日、最大規模のロシア無人機攻撃を受けた。ゼレンスキー大統領は、「犠牲者はいない。約40機の無人機のうち半数以上を撃墜した」と述べている。

外電によると、ロシア軍はまた、東部ドネツク州アウディイウカ周辺で激しい攻勢に出ている。一方、南部ザポロジエ州ではウクライナ軍の反転攻勢が続いている、といった具合だ。

オーストリアのインスブルック大学政治学者でロシア問題専門家、マンゴット教授はロシアとウクライナ間の戦争の見通しについて、「ロシア軍は大規模な攻勢は現時点では難しい。一方、ウクライナ軍も夏ごろから開始した反攻もあまり領土を奪い返すことができなかった。これからは冬の季節を迎えるから地面は泥濘化し、地上戦は難しい。本格的な戦闘は来年春以降となるだろう」と予想している。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年11月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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