田中碧 写真:Getty Images

 フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属の日本代表MF田中碧は、今月3日に行われたドイツ2部リーグ第11節ヴェーエン・ヴィースバーデン戦で先発出場も不発。前節まで2試合連続ゴールを挙げていたが、ここにきて今季途中で移籍する可能性が報じられている。

 昨季主力選手として活躍した田中は、シーズン終了後にクラブ幹部へ移籍の意思を伝えたが、VfBシュツットガルト移籍破談もあり残留。今季開幕から3試合つづけてスタメン出場も、移籍に関する問題により9月以降はレギュラーから控え要員に降格。それでも先月21日の第10節カイザースラウテルン戦で2ゴールを挙げ、逆転勝利に大きく貢献している。

 田中の活躍ぶりを受けて、ドイツメディア『シュポルト』は同選手がブンデスリーガ(ドイツ1部)の上位クラブへ移籍する可能性を報道。するとドイツ誌『ビルト』も今月5日に「デュッセルドルフは来年1月に新戦力を獲得するために、資金調達をしなければならない。ここ最近良いパフォーマンスを発揮したにもかかわらず、田中は重要な数百万ドルをクラブにもたらす最有力候補だ。その資金を使って少なくとも2、3人の新戦力を獲得する必要がある」とリポート。

 デュッセルドルフのクラウス・アロフス取締役は『ビルト』の取材で、田中の去就に言及しなかったものの、「我々は補強するために全力を尽くす。だが(資金面での制限により)思うように行動することはできず、今の財政状況に従わなければならない」と現有戦力の放出を示唆している。

 一方、同誌は「田中はデュッセルドルフにとって、ブンデスリーガ昇格の切り札になる可能性もある。したがって、ダイエル・ティウネ監督は今シーズン途中に退団するという話題が再燃することを望んでいない」と報道。田中の去就を巡って、クラブ内部で意見が一致していない可能性があるという。

 以前からステップアップ移籍を望んでいる田中。今年夏にはイングランド2部リーズ・ユナイテッドからの関心も報じられていただけに、今後も同選手の去就に注目が集まる。