上田綺世 写真:Getty Images

 フェイエノールト所属の日本代表FW上田綺世は、今月4日に行われたオランダ1部リーグ第11節RKCバールバイク戦で出番なし。アルネ・スロット監督が上田を起用しなかった理由を説明するとともに、同選手の心中を察している。

 昨季ベルギー1部リーグで22ゴールをマークした上田は、今年8月にサークル・ブルッヘからフェイエノールトへ完全移籍。FWサンティアゴ・ヒメネスが今季リーグ戦ですでに2桁ゴールをマークするなど、絶対的ストライカーとして活躍しているだけに、リーグ戦でのスタメン出場ゼロと控えに甘んじている。

 そんな中で迎えたバールバイク戦でも、上田はベンチスタート。フェイエノールトはシュート27本、枠内シュート12本を放ちながらも決定力を欠いたほか、前半アディショナルタイムには先発出場のヒメネスがPK失敗。64分に勝ち越しゴールを奪ったとはいえ、最後まで緊迫した試合展開となり、2-1と辛うじて勝ち点3を掴んでいる。

 オランダメディア『Voetbal』によると、スロット監督は試合後に「ここ数週間、あるいは何か月もの間、ゴールに結びついたチャンスの数に満足していない。昨シーズンからそうだが、相手のチャンスが少ない中、我々はチャンスを逃し続けている」と決定力不足に不満をあらわにしたとのこと。

 上田の出番なしについて問われると、「点差はわずか1点だったので、上田を使えなかった。2-2になった時のことを想定して、ヒメネスをベンチに下げたくなかった。仮にヒメネスに代えて上田を投入したとして、その後に追いつかれたら、(選手交代を行わず)このままのメンバーで戦いたいとは思わない。同点に追いつかれた場合を想定して、もうひとりのストライカーを起用する選択肢を残しておきたかった」と説明した上で、以下のようなコメントを残した。

 「(ベンチで戦況を見つめる中、)味方がこれだけ多くのチャンスがありながら、ことごとくを逃すと、ひとりのストライカーとして『たまにはシュートを打つために、ここに連れて来られたのかもしれない』と思うのは想像に難くない」

 「上田がまだ我々に多くをもたらしていないことは、はっきりさせておこう。だが明日になって、彼にこのような説明をする可能性はなくはない。ストライカーとして、彼が少しうんざりしているのは想像できるからね」

 新天地で思うように出場機会を確保できていない上田。今月7日にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラツィオ戦を控える中、スロット監督とのコミュニケーションをとった上で状況が好転することを願うばかりだ。