銀座 蔦屋書店では、荒井理行(あらい まさゆき)氏の個展「Like Paintings 005」を店内アートウォールにて11月24日(金)までの期間、開催中だ。

同展を訪れ他者が撮影した写真を起点に、個々人が捉える主観的世界の曖昧さや不安定さを拡張し、描く荒井氏の世界感を堪能して欲しい。

© 2017 Nacasa & Partners Inc. all rights reserved.

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「like paintings」シリーズより新作6点を2回に分けて発表

荒井氏は1984年生まれ、現在は茨城県を拠点に活動し、その作品はあいちトリエンナーレやVOCA展でも発表している。

荒井氏はこれまで、インターネット上で収集した作品を起点に、そこには写っていないフレーム外の情報を想像して描く絵画を制作してきた。絵の具を垂らして作られる多層的な絵画空間は、主観により解釈される現実とイメージ、その不安定な移ろいを示唆している。

同展では荒井氏が近年取り組んでいる「like paintings」シリーズより新作6点を、会期中、前期後期の2回に分けて発表する。

また、作品は銀座 蔦屋書店店頭にて販売する。なお、作品はプレセールスの状況により展覧会会期開始前に販売が終了することがある。

like paintings #66©荒井理行

like paintings #66©荒井理行

荒井氏のステートメント

荒井氏自身の作品について以下のように述べている。

「(前略)私はインターネットから他者が撮影した(と思われる)写真を拾い集め、それをプリントアウトしたものをキャンパスに貼り、そこに写らなかったフレームの外を想像で描き足す方法で絵画を制作している。筆による視覚言語を廃し、注射器を用いて絵具を垂らす絵画方法は、絵具は絵具でしかないという物理的側面と、イリュージョンとしてイメージを宿す概念的側面の両方を兼ねることを目的としている。

画面の中には、この絵画の始まりとなった写真の“痕”がある。私は写真の外側を想像で描き足した後に、その写真を剥がして捨ててしまう。他者の視点から始まった絵を、自らの視点にすり替えていくように。鑑賞者は私の視点の元となった写真を知ることはできないが、私もまたモチーフとなった写真が何であるのかを真に理解することはできないという点で、自らの視点と他者の視点を行き来し続ける。

イメージ(写真)にイメージ(想像)を重ね、イメージ(絵画)を作り出す一連の所作により、多重のイメージは一度は絵画として定着をみるが、鑑賞者の存在によってそれは再び宙に放たれ、新たなイメージ(像)として結ばれていく。この不安定な移ろいの連鎖の中に、私は希望に似た何かをみている」

今注目の若手アーティストである、荒井理行氏の個展「Like Paintings 005」へ足を運んでみてはどうだろう。

荒井理行 個展「Like Paintings 005」
開催日時:開催中~11月24日(金)10:30~21:00※最終日のみ18時閉場
会場:銀座 蔦屋書店 アートウォール
所在地:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
入場:無料

(角谷良平)